コラム
技能実習制度と特定技能の違いとは?企業が選ぶべき制度は?
外国人を採用したいと考える企業から、いただいたご相談のひとつがこちら
「技能実習と特定技能って何が違うんですか?どっちを使えばいいんでしょう?」
この2つの制度は目的も運用方法も大きく異なるのですが、名前が似ているために混同されやすいのが現状です。この記事では、制度の違いを実務レベルでわかりやすく整理し、企業がどちらを選ぶべきかのヒントをお伝えします。
1、よく混同される「技能実習」と「特定技能」の違い【比較表】
| 比較項目 | 技能実習制度 | 特定技能制度 |
|---|---|---|
| 制度の目的 | 技術移転・国際貢献(人材育成) | 即戦力となる外国人材の受け入れ(人手不足対策) |
| 主な対象業種 | 製造・建設・農業・介護など | 同上(※より広範で業務内容も多様) |
| 雇用形態 | 実習生としての受け入れ(基本的に非正規) | 労働者としての雇用(原則フルタイム) |
| 在留期間 | 原則3年(条件により最長5年) | 最長5年(更新可能・一部は永住へ移行も) |
| 支援体制の義務 | 監理団体による支援が前提 | 企業または登録支援機関が支援義務を負う |
| 転職の可否 | 原則不可(所属企業が決まっている) | 業種内であれば転職可 |
| 採用までのプロセス | 監理団体経由での受け入れが基本 | 直接雇用・登録支援機関経由でも可 |
| コスト感 | 初期費用が高め(送出機関・監理団体への費用) | 手続きは複雑だが、直接雇用であればコストを抑えられるケースも |
2、よくある“混同ポイント”を解説
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技能実習も働けるなら、特定技能と一緒でしょ?
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実は大きな違いがあります。
技能実習はあくまで「学びの場」であり、企業は“教える立場”として実習計画を提出・実行する義務があります。
一方、特定技能は「働くことそのものが目的」です。労働者としての権利・待遇が求められます。【重要な違い】
✔技能実習では、業務が「実習計画通り」でないと違反扱い
✔特定技能では、より柔軟な実務配置が可能
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どちらも3年働けるんですよね?
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在留期間の“意味”が異なります。
技能実習では、期間中の更新は「実習の段階を進める」ことが前提。
評価試験に合格しないと、次の段階に進めません。一方、特定技能では、定期的な在留資格の更新さえできれば、最長5年まで勤務可能。
さらに、特定技能2号に移行すれば、実質的な長期雇用・家族帯同も可能になります。
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技能実習の方が簡単に採用できるんじゃないの?
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最近は逆のケースも増えています。
技能実習は、送出機関(海外)+監理団体(日本)の間に入る機関が多く、
◦手数料が高額になりがち
◦書類・手続きが煩雑
◦調整や監査対応も多い
一方、特定技能では、企業が直接雇用することも可能なため、登録支援機関との連携次第で、コストと手間を抑えることもできます。
3、では、企業が選ぶべき制度とは?
選ぶべき制度は、「何を目的に雇用するか」で変わります。
| 目的 | おすすめ制度 |
|---|---|
| 技術指導や育成、国際貢献も視野に入れている | 技能実習制度 |
| すぐに現場で活躍できる即戦力がほしい | 特定技能制度 |
| 長期的な人材確保や将来的な幹部候補の採用 | 特定技能+キャリア支援の組み合わせ |
