コラム

経営・管理ビザとは?会社設立からビザ取得まで

「日本で起業したい」
「自分のお店を持って働きたい」
そんな外国人の方が取得を目指すのが、在留資格「経営・管理」です。就労ビザのなかでも特に取得の要件が難しいと言われています。

この記事では、経営管理ビザの要件や立ち上げられる事業の例行政書士がどのように支援できるかを、実務経験に基づいてわかりやすく解説します。

1、経営・管理ビザとは?

日本で会社を立ち上げ、経営または管理に関与するための在留資格です。
「就労」ではなく「起業」や「法人のマネジメント」を目的とする外国人が対象です。単に「働く」のではなく、自分でビジネスを立ち上げ、運営していく人向けのビザといえます。

2、経営管理ビザで立ち上げやすい具体的な事業例

業種具体例
飲食店経営レストラン・カフェ・外国料理店など
輸出入ビジネス自国の食品・雑貨の輸入、日本製品の輸出
ECサイト運営楽天・AmazonなどのEC内でのオンライン販売
不動産紹介外国人向け賃貸物件の仲介
通訳・観光関連観光ツアー・訪日客サポート
人材育成・教育支援技能実習・特定技能の候補者研修
中古車輸出日本の中古車を海外へ販売
Webサービス自社アプリ・システム開発

重要なのは、「実態のある事業として継続できるか」です。

3、経営・管理ビザの取得要件【詳細解説】

ここでは、「経営・管理ビザ」を取得するための要件を大きく5つにわけて解説します!

要件①:事業所の実体があること(バーチャル不可)

「実際に経営活動を行う場所=事務所・店舗・オフィス」が存在し、使用権限があることが必須。

≪チェックされるポイント≫

見られる内容審査官の視点
賃貸契約書の名義法人名義(または予定法人名+代表者)であるか
用途「事務所・店舗」用途になっているか(居住用やバーチャルオフィスNG
独立性住居と兼用であっても、明確な事務スペースの区分が必要
写真資料看板・デスク・備品・PCなどがあるか=実際に使用しているかが大事

よくあるNG例は「住宅を法人の所在地としたが、明確な区分けができていない」というものです。

1LDKマンションの一部のリビング(8畳)を事務所として使用し、間仕切り棚などで空間を仕切り、来客用の小さな応接スペース+業務机やPCを設置し、賃貸契約書に「住居兼事務所」と明記した場合で許可された事例であったり、

玄関は共通だが、1階を全て事務所にしており、住居スペースは2階のみとし、1階に法人名のプレート、専用の電話・Wi-Fi環境を整えた場合、家族と同居でも、「空間的独立性」があると認められやすいため、許可された事例などもあります。

一概に「これはOK!」と言えないところはあります。ただ、明確に物理的な事務所を借りた場合などは基本的に大丈夫ですので、ここを基準にしていただければと思います。

要件②:事業の継続性と実現可能性

「そのビジネスが本当に継続できそうか?」を、事業計画書や資金繰り計画などから判断されます。

≪チェックされるポイント≫

見られる内容審査官の視点
収支計画(3年分)赤字続きではNG。黒字化できそうな見込みがあるか
商品やサービスの内容何を・誰に・いくらで売るのか?ターゲットが明確か
顧客や取引先の有無すでに契約予定の顧客がいると信頼性が高まる
経営者の経験同業種の経験があるかどうか(ゼロでも補強資料が必要)
許認可の有無飲食店や古物商など、必要な営業許可を取得しているか

ビジネスの「絵に描いた餅」で終わらないよう、実現可能性を数値・証拠で示すことが重要

要件③:資本金・初期投資が500万円以上

原則500万円以上の投資が必要とされています。

≪チェックされるポイント≫

見られる内容審査官の視点
銀行口座の通帳コピー資本金が入金されているか(名義や金額も確認)
支出計画資本金がどこに使われるか(事務所費、人件費、備品など)
流れた資金の証明自分の口座から振込→法人名義への資本金振込が明確であること
本人の資金調達源日本国外からの送金など、正当な資金の出所が求められる

常勤職員の雇用(or投資のみでも可)

以下のいずれかを満たす必要があります:

 ◦日本人または永住者などを常勤職員として2名以上雇用

 ◦申請人が管理者として就任し、かつ500万円以上の投資があること

≪チェックされるポイント ≫

見られる内容審査官の視点
雇用契約書・賃金台帳雇用する従業員が「形式だけ」ではないか
社会保険の加入状況雇用主としての社会的義務を果たしているか
事業内容との整合性その業務に対して2人必要なのか?(不自然な場合は疑問視される)

要件⑤:申請者本人の適格性(経営者としてふさわしいか)

経営者としての経験・人物的信頼・生活の安定性が総合的に評価されます。

≪チェックされるポイント≫

見られる内容審査官の視点
履歴書・経歴書経営や業務の実務経験があるか(全くの未経験は不利)
語学力コミュニケーション力(日本語力の有無)も見られることがある
素行日本国内外での前歴(違反歴・税務関係など)に問題がないか
滞在歴他のビザでの在留歴があると信頼度が上がる場合もあり

経験が不足していても、「補う仕組み(経理担当者がいる、支援者がいる)」などを明記することで対応可能。イメージは銀行から融資を受けることと一緒です。しっかり、明確な事業計画が必要になります。

4、まとめ|経営管理ビザは「実現性」と「誠実な準備」が鍵

審査の本質ポイント
「実際に経営できる体制があるか?」書類だけでなく、実態と証拠が伴うか
「継続できそうか?」投資だけでなく、3年後に事業が回っているかの見通し
「社会に悪影響がないか?」税金・雇用・地域社会への貢献も含めた評価
Success

経営・管理ビザは、単なるビザではなく「日本でビジネスを継続的に営む覚悟」があるかどうかを試される在留資格です。

そのため、審査では事務所・資金・計画・経歴など、あらゆる面で“本気度”が見られます。

そのぶん、取得後は経営の自由度が高く、将来の永住申請にもつながる重要なビザです。

ビジネスの立ち上げとビザ取得を制度に沿って、確実に進めるためには専門的なサポートが不可欠であるといえます。

日本でのビジネスをお考えの方は、是非、「経営・管理ビザ」の取得をお考え下さい!