コラム

留学ビザから就労ビザへ切り替えるには?(事例で解説)

「内定をもらったけど、留学ビザのまま働いていいの?」「在留資格変更って難しいのかな…?」日本の大学や専門学校を卒業予定の外国人留学生が、日本で就職するためには「就労ビザ」への切り替えが必要です。
この記事では、実際の相談事例をもとに、就労ビザへの変更手続き、必要書類、注意点をわかりやすく解説します。

【事例①】大学卒業後、日本のIT企業に内定したネパール人留学生のケース

Sさん(ネパール出身・神奈川県内の私立大学で情報工学を専攻卒業前に都内のIT企業から「システム開発職」で内定をもらい、就労ビザ(技術・人文知識・国際業務)へ変更を希望Sさんは、在留資格変更の手続きで以下のような流れを踏みました。

【Sさんの場合】

 ◦学歴:大学で情報工学を専攻 → 職種:システムエンジニア

 ◦雇用形態:正社員(月給26万円)

 ◦会社:従業員30名・創業5年目のIT企業(黒字)

➡ 審査対象としてはおおむね良好な条件でした。

①留学ビザではフルタイム就労はできない

在学中は、資格外活動許可によって週28時間までのアルバイトが認められていますが、正社員として働くには、就労可能な在留資格に変更する必要があります

②どんな人が「就労ビザ」へ変更できるの?

【就労ビザへの主な要件】

 ◦日本の大学・専門学校等を卒業(見込みも可)

 ◦仕事内容が専攻内容と関連している

 ◦フルタイムの雇用であること(パート・アルバイト不可)

 ◦日本人と同等の給与水準があること

 ◦企業の安定性(黒字・雇用体制など)

③就労ビザ申請の流れ(在留資格変更)
STEP 1:就職内定・雇用契約書の締結

企業からの内定後、雇用契約書にサイン。勤務開始日や給与などを確認。

STEP 2:必要書類を準備

本人が用意するもの

 ◦在留カード、パスポート

 ◦卒業見込み証明書、成績証明書

 ◦履歴書(日本語・英語両方が望ましい)

企業が用意するもの】

 ◦雇用理由書(Sさんを採用する理由や職務内容)

 ◦労働条件通知書

 ◦会社案内・決算書などの企業資料

STEP 3:入管で申請

Sさんは卒業3か月前(12月)に申請
→ 約9週間後に許可が下り、3月初旬に「技術・人文知識・国際業務」の在留カードを受け取りました。

【事例②】専門学校卒のベトナム人留学生が不許可になりかけたケース

Tさん(ベトナム出身・日本の調理師専門学校卒)
地元の飲食店から「キッチンスタッフ」で内定を受けたが、就労ビザ(「技能」)が不許可となりかけた

【理由】

 ◦調理補助業務は、原則として「単純労働」に該当してしまい、就労ビザの対象外だった

 ◦専門学校で学んだ内容が「経営・栄養管理」だったが、実際の業務内容との関連性が薄かった

➡ 雇用理由書を再提出し、「調理計画の作成、食材の原価管理、栄養設計を含む業務」であることを明記することで、無事に許可が下りました。

よくある不許可理由と対策
不許可の理由対策
職務内容が専攻と関係ない採用理由書にて業務内容との関連性を具体的に記載
給与が安すぎる日本人と同等の水準を証明(給与明細や賃金規程)
企業の信用力が低い決算書、事業計画書、従業員規模の資料を添付
書類の不備・不足チェックリストを使って確認。専門家に事前相談を
申請タイミングと在留期間の関係

 3月卒業予定なら、12月中(年内)に申請するのが理想

 ◦許可が下りるまでに3か月ほどかかることもあり、早めの準備が大切です

 ◦卒業後に在留期限が迫っている場合は「特定活動」への変更も検討を

まとめ

✅ 留学ビザではフルタイムで働けないため、在留資格変更が必要

専攻と職務内容の関連性が最重要ポイント

✅ 企業も「雇用理由書」や「会社資料」の準備が不可欠

✅ 不安がある場合は、行政書士に早めに相談することで不許可リスクを減らせます