コラム

就労ビザ申請が不許可になる5つの理由と対策【事例で解説】

「せっかく内定をもらったのに、ビザが不許可に…」
「申請したのに通知が来ず、不安になってきた」

就労ビザ(在留資格「技術・人文知識・国際業務」など)の申請で不許可になるケースは珍しくありません。しかしその多くは、事前に正しく対策しておけば防げるケースです。

この記事では、実際にあった相談事例(ご自身で申請したけど不許可)をもとに、よくある不許可理由5つとその対策方法をわかりやすく解説します。

❶ 業務内容が在留資格の対象外だったケース

事例詳細

Sさん(ネパール/専門学校卒)は、横浜のカフェで「調理補助」として正社員内定。
ご自身で作成された申請書類では「料理の盛り付け・仕込み・接客」が業務内容として記載されていたが、「単純作業で専門性がない」と判断されて不許可に

解決策

このケースでは、就労ビザで許可される業務(例:「技術・人文知識・国際業務」)に該当しません。
しかし、メニュー開発・原価管理・外国人スタッフの指導など、専門性の高い職務を任せる体制に変更し、以下のように再構成して再申請しました。

 ◦職務内容を「外国人向けメニューの開発、店舗マネジメント補佐」に変更

 ◦雇用理由書で、「専門学校での栄養学の学習を活かし、外国人観光客向けのサービス企画を担当する」ことを明記

 ◦日本語・英語のメニュー翻訳担当など、多言語対応職務を追加

2回目の申請で許可されました。

❷ 学歴と業務が関連していなかったケース

事例詳細

Hさん(ベトナム/母国の大学で経済学専攻)は、工場の生産ラインで「在庫管理・パート管理」職で内定。
会社側が申請した内容が「単純労働に近く、学歴と関係がない」と判断され、不許可

解決策

再申請では、企業と相談し、Hさんが在庫分析・需給調整に関わる役割に業務を再編しました。

 ◦ 「経済学専攻で統計・需給理論を学んでおり、これを活かして工場の在庫管理システムを導入する」旨を雇用理由書に記載

 ◦工場業務マニュアルとExcel資料を添付し、実務に学問的知識が必要であることを裏付け

 ◦指導的業務に昇格予定である旨も記載(キャリアプランの提示)

➡ 学歴と業務の関連性が明確になり、許可が下りた。

❸ 会社の経営状況が不透明だったケース

事例詳細

T社(設立1年目・従業員3名)が、外国人デザイナー(Kさん)を採用。
黒字決算書はなく、創業期のため会社概要資料も簡素だったため、審査が長引いた末に不許可。

解決策

再申請では以下を準備しました

 ◦今後3か年の詳細な事業計画書(売上目標・外国人採用の必要性含む)

 ◦資本金の通帳コピー、出資者の身元資料

 ◦就業場所の写真・業務用PC環境などの写真を添付し、業務体制が整っている証拠

 ◦外国人デザイナーが「外国市場向け広告制作」を担当する業務内容を詳細記述し、日本人では代替しにくい職務であることを強調

➡ 再申請後、約2か月で許可がありました。

❹ 給与や雇用条件が不適切だったケース

事例詳細

Mさん(ベトナム人)は、地方の小売企業で月給14万円で採用されたが、「待遇が不十分」として不許可さらに雇用契約書には「業務内容:接客等」としか記載がなかった

解決策

 ◦月給を日本人新卒と同水準の20万円台に改善(給与規程と過去実績を添付)

 ◦雇用契約書を修正し、「外国人顧客対応、マーケティング補佐、翻訳資料作成」など専門的業務を明示

 ◦雇用理由書に「多国籍対応の人材が必要な理由」として、外国人観光客増加の現状を分析し、客観的な採用理由を示した

➡ 入管側が「待遇がしっかり改善された」と判断し、許可取得に成功

❺ 在留歴に問題があったケース

事例詳細

Yさん(中国)は留学生として来日していたが、過去に週28時間のアルバイト制限を越えて勤務していたことが入管に記録されていた。ビザ変更申請をしたものの、「在留資格違反履歴あり」として不許可に。

解決策

 ◦Yさん本人に反省文を記載してもらい、「無理解による違反だったが現在は十分理解している」と説明

 ◦学業の成績証明書、学費支払い記録、学校の出席証明書を提出し、学業への真剣な取り組みを証明

 ◦Yさんと採用企業様に「再発防止体制と指導の誓約書」も提出してもらい、本人と企業の両面からの改善努力を見せた

➡ 厳重注意のうえ、特例的に許可される結果に。

総まとめ:許可されるための共通対策

対応項目ポイント
書類整合性全ての書類で業務内容・条件・目的がブレないように記載
説明力「なぜこの仕事に外国人を採用するのか」を具体的に説明
信頼性給与、雇用形態、会社の財務・体制を客観資料で補強
問題履歴の説明正直に反省を示し、改善点と再発防止策を明記
専門性の裏付け学歴やスキルが職務に活きていることをアピール