コラム

“出向”“業務委託”でもビザは出せる?

雇用契約じゃなくても在留資格は取れるの?

外国人を受け入れる際、「出向で受け入れたい」「業務委託契約だけど大丈夫?」といったご相談を企業の人事担当者からよくいただきます。

結論から言えば――
在留資格(ビザ)の審査は、「雇用契約の有無」だけでなく、実際の就労実態や契約関係をもとに判断されます。(正社員限定だけなどということはありません。)

この記事では、企業目線での注意点とともに、「出向」や「業務委託」で外国人を受け入れる際の在留資格の考え方を、労働法との違いも含めてわかりやすく解説します。

在留資格と「雇用形態」の基本的な考え方

在留資格(とくに就労系)は、「誰と契約して、どの業務を、どのように行うか」が重要な判断要素です。

形式在留資格審査上の扱い
正社員(直接雇用)最も一般的で審査がスムーズ
契約社員・パート契約内容によるが、原則問題なし
派遣原則不可(受入先と契約関係がないため)
出向一定の条件を満たせば可
業務委託業務の実態・継続性によっては可

出向の場合:誰が雇用主?出向元と出向先の役割

在留資格審査の視点では、出向元が引き続き雇用主であることが明確で、かつ出向先での業務内容が「在留資格に適合していること」が条件です。

✅ つまり、「名ばかり出向」で実質的に出向先が指揮命令している場合、実質派遣とみなされ、不許可になるおそれがあります。

🔍 ポイント🔍

 ◦出向契約書や雇用契約書に賃金支払者・業務指揮権の所在を明記すること

 ◦出向先の業務が、在留資格(例:技術・人文知識・国際業務)に合致していること

業務委託の場合:「請負契約」で在留資格は取れるの?

原則として、業務委託契約だけでの在留資格取得は困難です。

なぜなら、委託契約では雇用関係が存在せず、業務指示や労働条件の管理が不明確になるため、入管としても「外国人が誰のもとで、どの業務をしているのか」が判断しにくくなるからです。

✅例外的に「可」とされるケースもある✅

委託契約であっても、実態として継続的・安定的な就労関係があり、就労先が責任を持って管理していることが明確である場合
→ 申請書類の工夫(業務内容書、指揮命令系統の説明など)次第で許可されることもあります。

ただし、原則は直接雇用契約を推奨。在留資格の安定性を高めるなら、社員としての雇用が安全です。

⚠ 労働法と入管法のズレに注意!

日本の労働法では「雇用契約であればOK」ですが、入管法では「在留資格に合った活動内容」かどうかが重視されます。

そのため、たとえ日本人であれば問題ない雇用形態でも、外国人の場合は入管法上の審査基準を別途クリアする必要があります

よくある質問(FAQ)

フリーランス契約でも技術ビザは取れる?

原則難しいですが、継続的な契約・勤務実態がある場合に限り、個別審査のうえ認められる可能性があります。

関連会社に出向させたいが、雇用主はどちらにすべき?

出向元を雇用主とし、賃金支払責任と社会保険加入を一貫して保持するのが安全です。

委託先企業が就労管理する場合、在留資格は出せる?

実態次第ですが、入管が「偽装請負」と判断すれば不許可になるため、慎重な検討と文書整備が必要です。

まとめ:企業が気をつけるべきポイント

Success

✅ 外国人雇用は「雇用形態」だけでなく、「実際の就労状況」で判断される

✅ 出向は、契約内容・実態を明確にすれば許可可能

✅ 業務委託やフリーランスは高リスク。基本は正社員雇用が無難

✅ 労働法と入管法は似て非なるもの。両方の視点で整備が必要

✅ 不安な場合は、行政書士などの専門家に事前確認を!