コラム

日本人と結婚したが別居中…それでも『日本人の配偶者等』ビザは維持できる?

日本人と結婚して「日本人の配偶者等」の在留資格を取得したものの、生活の事情や人間関係の悪化で別居状態になってしまったという相談は、年々増えています。このような状況でよくあるのが、「別居しているけど、今のビザのままでいられるのか?」「入管に知られたら取り消されるのでは…?」といった不安です。この記事では、最新の運用傾向を踏まえつつ、別居中でも「日本人の配偶者等」ビザを維持できるかどうかの判断ポイントを、具体的な事例とあわせて解説します。

『日本人の配偶者等』の在留資格とは?

このビザは、実態のある婚姻関係を前提とする在留資格です。
そのため、婚姻は法律上成立していても、「別居状態で実体のない関係」とみなされると、更新が不許可になったり、取り消されたりすることがあります。ポイントとなるのは以下の3点です。

  1. 婚姻が法律的に継続しているか
  2. 実際の生活が共同で営まれているか(同居・生計一体)
  3. 別居が一時的で、婚姻継続の意思があると説明できるか

実例で見る:別居中でも許可された/不許可になったケース

事例①|一時的な別居で「婚姻継続の意思」が認められたケース

フィリピン出身の女性(30代)は、日本人夫と喧嘩の末に一時的に実家へ帰省。約4か月別居していたが、その間もLINEでのやりとりや生活費の送金があり、夫婦関係の修復に向けて努力していたことが記録で確認された。
入管に「一時的な別居」であること、婚姻継続の意思があることを説明し、写真・LINE履歴・送金記録などを提出したところ、在留資格の更新は許可された。
→ このケースでは、配偶者が更新申請に同行した点も好影響だった。

事例②|別居が長期化し「婚姻実体なし」と判断され不許可

中国出身の男性(40代)は、日本人配偶者との別居状態が1年以上続いていた。離婚協議が進んでいたが、離婚届はまだ出されていなかった。更新の際、「婚姻関係の実体がない」として不許可処分。
→ 長期別居・交流なしのまま申請したことで、偽装婚の疑いを持たれた。

事例③|DV避難による別居でも、事情を証明し許可に

フィリピン出身の女性(20代後半)は、夫からのDV行為により警察・行政機関に相談。婦人相談所に保護された後、婚姻は継続していたが別居状態に。更新申請の際には、DV相談記録・一時保護証明・住民票の履歴などを提出。
→ 客観的証拠を整えることで、「やむを得ない別居」として認められた。在留資格の更新は許可

なぜ「別居中の在留資格維持」が問題になるのか?

法務省出入国在留管理庁の運用によれば、「日本人の配偶者等」の在留資格を持つ外国人は、その在留の根拠となる「配偶者としての活動実態」を維持していることが前提とされています。つまり、単に婚姻関係が続いているだけでは不十分で、実質的な夫婦関係(同居や生活の共有)が求められます。

また、2023年の統計では、日本における国際結婚のうち約27%が5年以内に離婚しており、その多くが別居期間を経ていることも分かっています。 入管は「別居中=偽装婚の可能性あり」と慎重な審査を強めています。

よくある質問(FAQ)

離婚していなければ別居していても問題ない?

必ずしもそうではありません。形式的な婚姻ではなく「実体ある夫婦関係」が求められます。

別居していることを入管に報告すべき?

原則、「活動機関に関する届出」が必要です。申告しないと虚偽申告とされる可能性があります。

別居中に更新申請するなら、何を準備すればいい?

夫婦間の連絡記録、送金明細、写真、説明書類などを揃えて事情を丁寧に説明しましょう。

「実家に帰省しているだけ」でも問題になりますか?

一時帰省で婚姻意思があるなら通常は問題なし。ただし、長期間になると説明が必要です。

まとめ

Success

✅ 「日本人の配偶者等」ビザは、実質的な婚姻関係が前提
✅ 一時的な別居なら許可されることもあるが、証明が必要
長期別居や無連絡状態は「婚姻実体なし」と判断されやすい
✅ DV・やむを得ない事情は、客観的証拠が鍵
✅ 配偶者の協力(同行や同意書)も許可率を高める要素になる