コラム

就労ビザで転職を繰り返すとどうなる?更新審査のポイント

外国人が日本で働く際に取得する「就労ビザ(在留資格)」は、雇用先と仕事内容を前提に発行されます。そのため、転職を繰り返すことは更新審査で注意されやすいポイントの一つです。現在の入管実務では、転職歴が多い場合や短期間での離職が続く場合、「安定性」「継続性」「在留資格の適合性」の観点から審査が厳しくなる傾向があります。本記事では、就労ビザで転職を繰り返した場合の影響、更新時に重視されるポイント、具体的な事例、そして最新の入管の審査傾向を解説します。

就労ビザで転職は可能?基本ルール

就労ビザ(技術・人文知識・国際業務など)は、特定の企業に縛られた「雇用許可」ではなく、職務内容に基づく資格です。したがって、同じ職務分野であれば転職は可能です。

ただし、以下の条件に注意が必要です。

  • 転職先の業務が現在のビザの活動内容に合致しているか
  • 離職から転職までのブランクが長すぎないか
  • 短期間での転職を繰り返していないか
  • 更新申請時に安定した雇用・収入を証明できるか

転職を繰り返すと審査で見られるポイント

1. 職務の一貫性

異業種への転職を何度も繰り返していると、「就労ビザの適合性が低い」と判断されやすくなります。特に「技術・人文知識・国際業務」の場合、専門性の継続が重要です。

2. 雇用期間の安定性

半年や1年以内に退職・転職を繰り返していると、「日本で安定した生活基盤を築いていない」と見られ、更新不許可のリスクが高まります。

3. 納税・社会保険の履歴

転職が多い場合、住民税や社会保険料の納付記録が不十分になることがあります。これは更新審査でマイナス要因になりやすいです。

4. 雇用契約の内容

更新時には最新の雇用契約書と給与明細が必要です。転職ごとに雇用形態が変わる場合、報酬や仕事内容の一貫性を示すことが重要です。

実例でわかる:転職を繰り返したケース

Danger

以下にいくつか、過去にあった事例を紹介しますが、「転職が悪いこと」ではないことに注意が必要です!あくまで「短期間で複数回」の転職が更新時に不利になりやすいことにご注意ください!

事例①:ITエンジニアが2年で3回転職 → 更新時に追加資料を要求されたケース

インド出身のAさんは、ITエンジニアとして来日後、2年間で3社を経験。すべて「技術」系業務ではあったものの、1社目は半年で退職。更新申請時に入管から「転職理由」「職務の一貫性」を示す追加資料を求められました。

過去の職務内容を比較した書類を作成し、「スキルアップのための転職」であることを説明。結果的に更新は許可。

事例②:飲食業から事務職へ転職 → 不許可になり、在留資格変更で対応

ベトナム出身のBさんは、調理補助として「特定技能1号」で入国後、事務職に転職。就労ビザ(技人国)への変更を試みましたが、職務内容が異なるため不許可に。

職務内容を再整理し、通訳業務を含む「国際業務」として再申請し許可を取得。転職時には「在留資格の範囲」が合致しているかを確認する必要がある例です。

事例③:短期離職を繰り返した後に正社員雇用 → 安定性を示して許可

ベトナム出身のCさんは、1年で2回アルバイトを転々とした後、正社員として採用されました。更新時には過去の不安定な雇用履歴を問われましたが、現在の雇用契約と安定収入、今後の雇用継続計画を企業から提出してもらうことで許可が出ました。

転職が多い場合でも、「現在の安定性」をしっかり示せば許可される可能性はあります。

最新の入管審査の傾向

  • 短期離職・転職回数が多い申請者に対して、職務経歴の詳細な説明を求めるケースが増加
  • 納税証明や社会保険加入履歴の提出を厳格化
  • 雇用契約書に加え、会社の事業内容や雇用理由を説明する資料の添付を求められる例も増えています

よくある質問(FAQ)

就労ビザで転職した場合、入管への届出は必要ですか?

はい、転職したら14日以内に「活動機関に関する届出」が必要です。怠ると更新時に不利になります。

無職の期間があると更新は不許可になりますか?

短期間であれば問題ありませんが、半年以上無職だと生活の安定性が疑われ、不許可のリスクが高まります。(転職活動のために「特定活動」の在留資格を申請するのが良いです。)

業種が変わる転職はできますか?

在留資格の範囲内であれば可能ですが、範囲外の場合は在留資格の変更申請が必要です。

まとめ

Success

✅ 就労ビザは「職務内容」に基づく資格 → 転職のたびに合致性を確認
短期離職や転職回数が多い場合は、職務の一貫性・安定性を示す書類が必要
納税・社会保険の履歴は更新審査で重視される(しっかり記録は残しましょう!)
✅ 無職期間は短く、雇用継続の証明を確保することが重要
最新の審査傾向では、企業の雇用理由・仕事内容の裏付け資料が求められることが多い