コラム

技人国ビザで単純作業を頼むのは違法?よくある契約違反の事例

「技術・人文知識・国際業務」(通称:技人国ビザ)は、日本で専門的な知識やスキルを必要とする業務に従事する外国人向けの在留資格です。しかし現場では、このビザを持つ人に単純作業をさせてしまい、入管から「契約違反」と指摘されるケースが後を絶ちません。この記事では、技人国ビザで認められる業務範囲と、実際に起きた契約違反の事例、そして最新の審査傾向や注意点を解説します。

技人国ビザで認められる業務とは?

技人国ビザは、「専門的な知識・技術に基づく業務」が前提です。主な対象は次の3つの分野に分類されます。

  1. 技術(理工系・ITなど)
  2. 人文知識(経営、経理、マーケティング、企画など)
  3. 国際業務(通訳、語学指導、海外取引対応など

単純作業とされる業務の例
  1. 製造ラインでの組立・加工(繰り返しの単純作業)
  2. 倉庫でのピッキング・梱包作業
  3. 清掃、皿洗い、軽作業のみの現場業務

これらは「特定技能」や「技能実習」の範囲に該当することが多く、技人国ビザでは認められません。

実際にあった契約違反の事例

事例①:製造業でのライン作業 → 更新不許可

ベトナム人のAさんは技人国ビザで来日し、機械設計エンジニアとして採用されました。しかし、実際には人手不足から製造ラインでの単純な組立作業に従事。更新時の調査で職務内容が「専門性のない単純作業」と判断され、不許可に。企業には「活動内容違反」として警告が入りました。

事例②:通訳として採用 → 倉庫でのピッキング業務

フィリピン籍のBさんは、国際取引部門で通訳・翻訳を担当するという契約で入社。しかし繁忙期に倉庫でのピッキング・梱包作業を長期間担当させられていました。入管の実地調査で発覚し、ビザ更新は保留。企業は「契約内容と実際の業務が著しく異なる」と判断されました

事例③:ITエンジニア → 実際はデータ入力・雑務

ネパール出身のCさんは「システム開発担当」として雇用。しかし実際にはデータ入力や書類整理が中心で、プログラミング業務はほとんどなし。更新時に業務内容を説明できず、「専門性のある業務をしていない」として在留資格変更を求められました。

事例④:マーケティング担当 → 実際は販売員

ネパール籍のDさんは「海外向けマーケティング担当」として採用されましたが、実際は店舗での接客販売が主業務。販売は「単純労働」とみなされることが多く、ビザ更新で不許可となり帰国せざるを得なくなりました。

最新動向

  1. 入管は「職務内容と在留資格の適合性」をより厳格に確認
  2. 企業への現地調査・ヒアリングが増加
  3. 業務日報や職務記述書を確認されるケースが多い
  4. 「人手不足で一時的に単純作業をさせていた」という理由は認められにくい

技人国ビザで単純作業を避けるためのチェックポイント

  1. 採用契約書と実際の業務内容が一致しているか
  2. 職務記述書(Job Description)を明確にしているか
  3. 専門性を示す資料(資格、学歴、職務経歴)を揃えているか
  4. 単純作業が業務の中心になっていないかを定期的に確認

よくある質問(FAQ)

一時的に単純作業をさせるのも違法ですか?

短期間・補助的な範囲なら問題ない場合もありますが、長期間・主要業務になると違反と判断されます。

技人国ビザから特定技能に切り替えれば単純作業はできますか?

可能ですが、対象業種や技能試験が必要です。切り替えには計画的な準備が求められます。

ビザの更新時に職務変更を説明する方法はありますか?

職務記述書・日報・上司の説明書を用意し、「専門性のある業務が中心」と示すことが大切です。

派遣社員の場合はどうなりますか?

派遣先の業務内容で判断されます。派遣先で単純作業をしていれば違反とみなされるリスクがあります。

契約違反が見つかった場合、企業にも罰則がありますか?

悪質な場合は企業が入管から警告・改善命令を受けることがあります

まとめ:技人国ビザと業務内容の適合性を徹底確認

Success

✅ 技人国ビザでは「専門性のある業務」が必須

✅ 単純作業が中心になると更新不許可・資格取消しのリスク

契約書と実際の業務を一致させることが重要

✅ 最新の審査では現場調査・日報の確認が増えている

✅ 問題を避けるには職務内容の管理と定期的な確認が必要