『日本人の配偶者等』ビザでも扶養できる?親・兄弟を呼びたいときの選択肢
1. はじめに
「日本人の配偶者等」ビザ(以下「配偶者ビザ」)は、日本人と結婚している外国籍の配偶者や、日本人の実子などが取得できる在留資格です。このビザは就労制限がなく、日本国内での生活や仕事において自由度が高いのが特徴ですが、「親や兄弟も日本に呼び寄せたい」という相談は少なくありません。しかし、入管法上、配偶者ビザに基づく在留者がそのまま親や兄弟を「扶養」として呼び寄せることは原則できません。この記事では、実際に可能な帯同方法、申請書類、そして最新の入管動向を踏まえて解説します。
2. 配偶者ビザで扶養できる範囲
配偶者ビザの在留資格は「身分系」に分類されます。この在留資格では、自身の配偶者や未成年の子どもなど、直系の配偶者・子どもに関しては、在留資格の範囲内で生活が認められます。しかし、親や兄弟などの「二親等以内の血族」であっても、在留資格上の帯同対象には含まれません。
扶養できない例(原則)
- 自分の両親(日本人配偶者の義父母を含む)
- 自分の兄弟姉妹(未成年でも別世帯の場合は原則不可)
このため、親や兄弟を呼びたい場合は、別の在留資格を検討する必要があります。
3. 親を呼び寄せるための選択肢
3-1. 特別活動ビザ(高齢の親の扶養)
例外的に、病気や高齢などの理由で母国で一人暮らしが困難な場合、「特別活動」の在留資格で呼び寄せられる可能性があります。ただし、申請には以下の条件を満たす必要があります。
- 本国で扶養できる他の親族がいないこと
- 日本で扶養する経済的基盤があること(年収・預金残高など)
- 医療状況や介護が必要な証拠(診断書など)
必要書類例
- 扶養者(配偶者ビザ保持者)の在留カード・パスポート写し
- 経済的基盤を証明する書類(源泉徴収票、預金通帳)
- 親の戸籍謄本、独身証明書または配偶者死亡証明書
- 医療機関の診断書(要日本語訳)
3-2. 観光・短期滞在ビザでの呼び寄せ
一時的に日本で生活を共にする場合は、「短期滞在」ビザで90日間まで呼び寄せ可能です。ただし、短期滞在ビザでは就労不可で、長期的な生活は認められません。
4. 兄弟を呼び寄せるための選択肢
4-1. 留学ビザ
兄弟が進学を希望する場合、大学や専門学校に入学して「留学」ビザを取得できます。ただし、配偶者ビザ保持者の扶養としてではなく、本人が留学生として独立した在留資格を持つことになります。
4-2. 就労ビザ
兄弟が就職先を見つけた場合、職種に応じた就労ビザを取得可能です。この場合も「扶養」という形ではなく、あくまで本人が就労資格を得て来日する形になります。
5. 最新の入管動向(2024〜2025年)
コロナ禍以降、入管は「扶養の実態」や「日本での生活の必要性」を厳しく見る傾向が続いています。特に親の呼び寄せでは、介護や医療の必要性が明確でない場合は不許可になる例が増えています。また、過去には短期滞在を繰り返して実質的に長期滞在していたケースがあり、これを防ぐために再入国時の審査も厳格化しています。
6. 実際の事例
事例1:高齢の母を呼び寄せたケース(2024年)
フィリピン在住の母が80歳を超え、一人暮らしが困難になったため、配偶者ビザを持つ息子が申請。医師の診断書と、他の兄弟が全員海外にいる証明を提出し、特別活動ビザ(1年)が許可された。
事例2:兄を留学生として呼んだケース(2023年)
母国で大学進学を諦めた兄を、日本の専門学校へ留学ビザで呼び寄せ。学費支払い能力を示すため、扶養者の年収証明と銀行残高証明を提出。スムーズに許可。
事例3:短期滞在で一時的に親を呼んだケース(2022年)
母の手術に伴い、母国から90日間の短期滞在ビザで来日。その後の延長申請は認められず、帰国後に再度呼び寄せ手続き。
7. よくある質問(FAQ)
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親を「家族滞在」ビザで呼べませんか?
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家族滞在ビザは就労ビザ保持者の配偶者や子どもが対象で、親は含まれません。
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親を呼び寄せるために必要な年収は?
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明確な基準はありませんが、目安として年間400万円以上の安定収入が必要です。
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兄弟を呼んだ後、日本で働かせられますか?
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留学ビザの場合、資格外活動許可があれば週28時間以内のアルバイトは可能ですが、就労ビザ取得がない限りフルタイム勤務は不可です。
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特別活動ビザは何年更新できますか?
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1年または6か月ごとの更新が多く、親の健康状態や扶養状況に応じて審査されます。
