コラム

【事例で検証!】外国人が退職・転職したら就労ビザはどうなる?必要な手続きと猶予期間

日本で働く外国人にとって、退職や転職はビザ(在留資格)に直結する重大な出来事です。
この記事では、就労ビザ保持者が退職・転職する際に必要な手続きや猶予期間、実際にあった事例をもとにわかりやすく解説します。

そもそも「就労ビザ」は会社に紐づいた在留資格

【POINT】在留資格の活動内容に合っていないと「資格外活動」扱いに

就労ビザ(例:「技術・人文知識・国際業務」)は、特定の職種・業務内容を行うことを条件に与えられています。
そのため、会社を辞めたり、業務内容が大きく変わった場合には、そのままでは在留資格に合わなくなる可能性があります。

【事例①】退職後に何もせず放置…「ビザ取消」の通知が届いた!

国籍:中国/在留資格:技術・人文知識・国際業務/職種:翻訳業務

神奈川県の中小企業で翻訳業務に就いていたAさんは、上司とのトラブルで突然退職。
その後しばらく実家で休んでいたが、何の届出もせずに3か月が経過。ある日、入管から「在留資格取消しの通知」が届き、慌てて相談に来られました。

このケースでは「3か月以上、正当な理由なく活動をしなかった」と判断されたため、取消対象になってしまいました。
→ Aさんは急いで特定活動への変更申請をし、なんとか在留継続に成功しましたが、非常にギリギリでした。

退職後も、在留カードの期限までは一応有効です。しかし、次のような規定があります

「正当な理由なく3か月以上、活動を行わないと在留資格取り消しの対象となる」(入管法第22条の4)

つまり、3か月以内に何らかの職探しや就職活動をしていることを証明できなければ、強制的にビザが取り消される可能性があるのです。

【事例②】退職後すぐに転職!でも職種が変わったことで問題に

国籍:ネパール/在留資格:技術・人文知識・国際業務/前職:ITエンジニア → 転職先:調理補助

BさんはIT企業を退職後、知人の紹介で飲食店に転職。しかし、新しい職場では「調理補助」業務しか担当せず、もとの在留資格とは関係のない職種でした。結果、在留資格変更をしていなかったため、入管から指摘を受け、更新が不許可に。「技術・人文知識・国際業務」では飲食業務はできないため、資格外活動や変更申請が必要だったのです。

退職・転職後に必要な手続き(本人)

①「契約機関に関する届出」を14日以内に提出

退職後は、14日以内に入管へ「契約機関の離脱届」を提出する義務があります。方法は以下のいずれかです。

 ◦マイナポータルなどでのオンライン申請

 ◦書面による郵送提出

提出しないと、将来のビザ更新・変更審査で不利になります。

② 転職後も「契約機関の届出」を再度提出

転職先が決まったら、雇用開始から14日以内に再度「契約機関(就職先)に関する届出」が必要です。

③ 業務内容が異なる場合:「在留資格変更許可申請」

職種や業務内容が、元のビザで認められていない場合には、在留資格の変更申請が必要です。(今回の事例はこちらが必要な案件でした。)

【事例③】3か月以上経ったが、「証拠」があったことで取消回避

国籍:ベトナム/在留資格:技術・人文知識・国際業務/退職後:転職活動中

Cさんは、退職後4か月目に新しい職場が決定。
在留期間更新の申請時に、入管から事情説明を求められたが、求人サイトの応募履歴を提出したことで、「継続的に就職活動を行っていた」と認定され、在留資格の取消しを回避できました。

転職活動中に在留資格を維持するには

 ◦ハローワークに登録する

 ◦求人応募の履歴を残す

 ◦面接のメールや履歴を保管

これらの記録は「3か月以上活動していない」と誤解されないための重要な証拠になります

企業側の義務も忘れずに!

外国人を雇用・離職させた企業には、以下の義務があります。

項目内容提出先期限
外国人雇用状況届出採用・離職時に提出ハローワーク14日以内
契約機関に関する届出(任意)入管への報告入管14日以内推奨

まとめ:退職・転職時は「届出」「活動記録」がカギ

Success

✅ 退職してもすぐに在留資格が無効になるわけではない

✅ ただし、3か月の空白期間には注意!

✅ 必ず「契約機関に関する届出」を提出

✅ 転職先が決まったら業務内容を確認し、資格変更の必要がないか確認

✅ 就職活動中は、記録を残すことがとても大切!