コラム

『日本人の配偶者等』ビザで別居・離婚後にトラブルになりやすいケース

「日本人の配偶者等」の在留資格は、日本人と結婚していることを前提に認められる在留資格です。しかし、結婚生活が破綻し別居や離婚に至った場合、すぐにビザの問題が発生することがあります。ここでは、別居・離婚後に起こりやすいトラブル事例と、その対処方法や注意点について解説します。

1.「6か月ルール」で在留資格を失うリスク

日本人の配偶者等のビザで在留している人が、配偶者との同居をやめたり、離婚をしたりした場合、その事実を14日以内に入管に届け出る必要があります。そのうえで、6か月以内に新しい在留資格を申請しないと、在留資格が取り消される可能性があります。

実務で起こるトラブル例

 ◦別居して長期間が経過していたが、入管への届出をしていなかった

 ◦離婚後も手続きを放置してしまい、更新時に不許可となった

 ◦「離婚したことを知られたくない」と虚偽の申告をしてしまった

→ 入管から通知が来て初めて状況の重大さに気づくケースが多数あります。

2.日本人配偶者からの嫌がらせ・協力拒否

離婚が円満でない場合、配偶者から在留資格更新に非協力的な対応をされるケースがあります。婚姻の実体を証明する資料(同居記録・写真・家計資料など)に対して、「そんなものは渡さない」と言われることも。

実務で起こるトラブル例

 ◦離婚後の更新に必要な資料を一切出してもらえない

 ◦DVの加害者から「ビザを人質にして」脅される

 ◦一方的に離婚届を出され、知らないうちに離婚していた

→ 離婚協議書や調停の記録、公的相談記録を使って対応する必要があります。

3.婚姻の「実体」について疑われやすい

婚姻期間が短かったり、同居していた期間が短かったりすると、「偽装結婚ではないか」と疑われることがあります。ビザ更新や在留資格変更の審査では、写真やLINE履歴だけでは不十分と判断されることもあります。

実務で起こるトラブル例

 ◦結婚して1年未満で離婚 → 定住者への変更が不許可に

 ◦別居期間が長く、同居実績がほとんどないと判断される

 ◦一時的に一緒に住んでいただけで、生活実体がなかった

→ 婚姻の継続年数だけでなく、生活の実体を具体的に証明できるかどうかが重要です。

4.離婚後も日本で生活したいが、在留資格がない

離婚後に日本で働きたい、子どもと一緒に生活を続けたいという場合、「定住者」などへの在留資格変更が必要になります。
しかし、申請要件を満たさないと、不許可となって退去を求められることもあります。

実務で起こるトラブル例

 ◦無職のまま申請 → 生活の安定性がないと判断される

 ◦子どもがいるが、日本国籍でない → 監護者としての立場が弱い

 ◦既に6か月を過ぎていた → 資格変更の時期を逃してしまった

安定した収入や、子の監護・社会的つながりを証明できると認められる可能性が高くなります。

まとめ:トラブルを避けるための5つの視点

Success

✅ 配偶者と別居・離婚したら、14日以内に入管へ届け出が必要
✅ 離婚後も日本で暮らす場合、6か月以内に在留資格変更の申請
✅ 婚姻の実体は、写真・住民票・家計資料などで客観的に証明する
✅ DVや嫌がらせがある場合は、相談機関の記録や調停資料を活用する
✅ 無職や生活が不安定な状態では不許可リスクが高まるため、就労や収入の確保が重要