お役立ちコラム(在留資格・外国人雇用)

【帰化申請】日本語力ってどうやって証明するの?

帰化の壁は「日本語」? 「帰化したいけど、日本語に自信がなくて不安…」「面接でどれくらい話せればいいの?」「試験があるって聞いたけど、どんなもの?」 このように、日本に長く住んでいても「日本語力の証明方法」に不安を感じる外国人の方は多いです。今回は、帰化申請で求められる日本語能力のレベルと、その証明方法について、行政書士の視点からわかりやすく説明します。 帰化に必要な日本語力とは?【目安は小学校3年生程度】 法務局が帰化申請者に求めている日本語力のレベルは、ずばり「小学校3年生程度」です。つまり、難しい漢字や敬語が使えなくても大丈夫。次のようなことができれば問題ありません。 【求められる日本語力の例】  ◦日常生活で困らない程度の会話  ◦短い文章や通知を読んで理解できる  ◦住所・名前・簡単な自己紹介を書ける どのように日本語力を証明するの? では、「その日本語力をどうやって証明するの?」という疑問にお答えします。主に次の4つの方法があります。 ① 面談での会話 法務局での面談で、係官と通訳なしで話せるかが重視されます。質問に日本語で答えられるよう、事前に練習しましょう。 ② 書類(理由書など)の自筆記入 「帰化の理由書」などを自分の言葉で書くことも大切な証明の一つです。無理に漢字を使わず、ひらがな・カタカナでもOKです。 ③ 日本語能力試験(JLPT) JLPT(Japanese Language Proficiency Test)でN2レベル以上を取得していれば、非常に強力な証明になります。N3でも補助資料としては有効です。 ④ 日本の学校の卒業歴(これがあれば一番!) 小中学校を卒業していれば、日本語能力の証明として極めて有効です。卒業証明書を用意しておきましょう。 JLPT(日本語能力試験)ってどんな試験? 日本語能力試験(Japanese-Language Proficiency Test / JLPT)は、日本語を母語としない人の「日本語の運用能力」を測定するための、国際的な標準試験です。日本の国際交流基金と日本国際教育支援協会(JEES)**が主催し、年2回(7月と12月)に実施されています。 試験レベルと内容 レベル 難易度 できることの目安 帰化申請での評価 N1 最も難しい 新聞やビジネス文書を正確に読解、抽象的な会話も理解 非常に高く評価される N2 やや難しい 日常生活+職場レベルの文書、会話を理解 高く評価される(十分) N3 中級 やや複雑な日常会話や短文の読解が可能 参考になるがやや弱い N4 初級 基本的な日本語を理解、簡単な会話と読解が可能 基本能力の証明レベル N5 最も易しい…

【後編】帰化申請の手続きの流れと注意点

前編では、「帰化申請とは何か?」「どんな人が申請できるのか?」といった基本的な知識をご紹介しました。今回の後編では、実際に申請を進めるためのステップや注意点を、具体例を交えながら詳しく解説します。 帰化は一大イベントです。この記事を読みながら、自分が今どの段階にいるのか、どこから準備を始めるべきかを整理してみましょう。 1、帰化申請の流れ【全体像】 帰化申請の基本的な流れは、以下の通りです。 ①法務局への事前相談 まずは、住所地を管轄する法務局(国籍課)に電話で予約を取り、相談に行く必要があります。この段階では、本人の在留資格・経歴などから「申請可能かどうか」の判断を受けます。 【具体例】 「永住者で10年在住、日本語も問題ない」という方であれば、すぐに書類準備に入れることが多いです。一方で、「収入が安定していない」「在留資格が短期」などの場合は、準備期間が必要と伝えられることもあります。 ②必要書類の収集 法務局で相談後、「個別に必要な書類のリスト」が渡されます。これをもとに、書類を集めていくことになります。 【主な書類の例(※人によって異なります)】 種類 書類例 本人関係 在留カード、パスポート、住民票、履歴書 出生・家族関係 出生証明書、婚姻証明書(母国のもの+翻訳) 生計証明 源泉徴収票、確定申告書、給与明細 納税状況 納税証明書(市県民税、国税)、国民年金保険料の支払い状況など その他 日本語能力の証明、勤務先証明書など ③書類提出(申請) 必要書類がすべて揃ったら、再び法務局へ予約して、申請書類一式を提出します。このとき、その場で不備があると受け取ってもらえないこともあります。書類の翻訳や形式に不安がある場合は、行政書士など専門家に事前確認してもらうと安心です。 ④面接と実地調査 提出後、数か月~1年以内に本人への面接があります。法務局の担当官が直接ヒアリングを行い、生活状況を確認します。 【よく聞かれる質問例】  ◦どうして帰化を希望するのですか?  ◦現在の職業・収入・家族構成について教えてください。  ◦日本の祝日や文化、法制度を理解していますか?  ◦ご両親や兄弟の職業・住所は?(海外在住でも) ⑤審査期間 帰化申請の審査は非常に丁寧に行われます。提出から許可まで、早くても10か月、平均で1年ほどかかります。 この間に追加書類を求められることもあります。審査が進行しているかどうかは、本人からは基本的に確認できません。 ⑥帰化の許可・不許可の通知 審査が完了すると、法務局から通知が届きます。  ◦許可された場合:官報に公告 → 市区町村役場で戸籍編入 → 日本国籍取得  ◦不許可だった場合:理由は基本的に説明されません。再申請は6か月~1年空けるのが一般的です。 【許可後の手続き】  ◦パスポートの切替(旧国籍の返納)  ◦マイナンバー・保険証の変更  ◦国籍変更に伴う諸手続き(銀行、勤務先など) 2、よくある不許可の理由とその対策 帰化申請では、「必要書類を提出すれば通る」というわけではありません。実際には多くの申請が不許可になるケースもあり、原因のほとんどが「基本的な注意不足」です。ここでは、実務で特に多い不許可理由と、それに対する具体的な対策を解説します。 ①税金や社会保険料の未納・滞納 ▷ なぜ不許可になるのか? 納税や保険料の支払いは、日本で暮らす上での基本的義務です。帰化においては「きちんと社会のルールを守っているか」が重要視されるため、未納・滞納は即マイナス評価です。 ▷ 具体例…

【前編】帰化申請とは?基本知識と最初に知っておきたいこと

「日本で暮らし続けるなら、次のステップへ――。」 日本に長く住み、働き、家族や友人と過ごすうちに、「この国で、もっと深く生きていきたい」と思ったことはありませんか? そんなあなたにとって、日本国籍を取得する「帰化申請」は、新たな未来を切り開く一歩になります。とはいえ、帰化には多くの準備と心構えが必要です。何から始めればいいのか、どんな条件を満たさなければならないのか――不安に思うことも少なくないでしょう。 この記事では、帰化申請に必要な基本知識と、最初に押さえておきたいポイントを、わかりやすくまとめました。これから帰化を目指す方のために、しっかりサポートできる内容をお届けします。 まずは、帰化申請の全体像を一緒に確認していきましょう。 1、帰化とは? 〜日本国籍を取得する手続き〜 帰化とは、外国人が日本国籍を取得するための手続きを指します。帰化が認められると、その方は日本国籍を持つ日本人として、自由に生活や仕事をすることができるようになります。 ここで注意したいのが、永住許可との違いです。  ◦永住許可:外国籍のまま、永続的に日本に住める権利  ◦帰化:日本国籍を取得して「日本人」になる つまり、帰化は単なる在留資格の変更ではなく、国籍そのものを変更する重大な手続きです。 2、帰化申請をするメリット・デメリット 【メリット】 ◦ビザ更新が不要になる→ 例:これまで3年ごとに在留資格更新していた人も、帰化すれば更新不要になります。 ◦自由に就労・居住が可能→ 例:公務員試験や国家資格(行政書士、弁護士など)に挑戦できるようになります。 ◦海外渡航がスムーズになる→ 例:日本のパスポートは世界最強クラス。多くの国へビザなし渡航が可能になります。 ◦選挙権を得て社会参加できる→ 例:地方・国政選挙で投票ができるようになります。 【デメリット】 ◦母国の国籍を失う可能性がある→ 例:中国や韓国など、二重国籍を認めない国も多く、元の国籍を放棄しなければならないことがあります。 ◦母国との関係手続きが発生する → 例:本国に残した不動産、年金、戸籍の手続きが必要になることもあります。 ◦文化・法律上の適応が求められる → 例:日本の法律や慣習に完全に従うことが求められます。 3、帰化申請できる基本的な条件 帰化には、法律で定められた条件(帰化要件)があり、これを満たしていることが必要です。主な要件は以下のとおりです 要件 内容 ポイント 緩和される場合 住所要件 引き続き5年以上、日本に住所を有すること 留学ビザや短期滞在は除く。就労ビザ・永住・配偶者ビザなどが対象 日本人配偶者等は短縮(通常1年以上の日本滞在でOK) 能力要件 原則18歳以上で、行為能力があること 成年に達していない場合、原則単独申請不可 なし 素行要件 素行が善良であること 交通違反や税金未納でも影響。軽微な違反の積み重ねも注意 なし 生計要件 安定した収入・生活基盤があること 本人または家族の収入でも可(例:専業主婦でも可) なし 国籍要件 原則、元の国籍を離脱できること…

外国人が日本で相続を受ける場合は?

〜法律・手続き・税金の注意点を行政書士が解説〜 日本に住む外国籍の方が「親や配偶者が亡くなり、相続人となった」場合、日本国内でどのように手続きを進めればよいのか、不安に感じることも多いでしょう。ここでは、外国人が日本国内の財産を相続するケースを中心に、以下の項目ごとに解説します。 1、法律的な考え方(準拠法) ●原則:相続全体は「被相続人の本国法」によって決まる 日本では、相続に関しては被相続人(亡くなった方)の国籍国の法律(本国法)を適用するのが原則です(通則法36条)。 例:日本に住む中国人が亡くなった場合、中国の相続法に従って誰がどれくらい相続するかを決定します。 ●例外:日本の不動産については「日本法」が適用される可能性(一概に言えない) 不動産など物権の帰属は、その物の所在地の法律(=日本法)で処理される傾向があります(通則法38条)。 2、必要な手続き(相続登記や口座解約) 相続財産が日本国内にある場合、以下のような手続きが必要です 財産の種類 必要な手続き 不動産 法務局で相続登記(所有権移転) 銀行口座 金融機関での相続手続き(払戻・解約) 株式・証券 証券会社や信託銀行での名義変更 預貯金 相続人全員による遺産分割協議書が必要 3、相続税の課税について 【前提】外国人相続人も、日本にある財産を相続すれば相続税の対象になります。 被相続人または相続人の状況 相続税の課税範囲 被相続人 or 相続人が日本に住所あり(10年以内) 日本国内外すべての財産 被相続人・相続人とも日本に住所なし 日本国内の財産のみが対象 ● 相続税の申告・納税は、被相続人の死亡後10か月以内。 → 相続人が海外在住の場合、日本での代理人(納税管理人)の届出が必要になることもあります。 4、遺言がある場合の注意点 ◦被相続人の母国法で有効な遺言であっても、日本で相続登記や金融手続きをするには、日本法上の「方式」に合致しているかの確認が必要です。 ◦外国語の遺言書は、翻訳+検認が必要になります。 まとめ

在留期間を過ぎてしまったら?オーバーステイが判明した時の正しい対応

日本に住む外国人にとって、「在留期間を過ぎてしまった(=オーバーステイ)」という状況は、非常に深刻な問題です。意図的でなくても、そのまま放置すると強制退去や再入国禁止といった厳しい処分を受ける可能性があります。この記事では、オーバーステイに気づいたときに何をすればよいのかを、行政書士の視点からわかりやすく解説します。 1、まずは入国管理局に出頭しよう ちょっと怖いかもしれませんが、まずは入国管理局(入管)に行きましょう。自分から出頭すれば、「自分で気づいて反省している」として見てもらえる可能性があります。逆にそのまま放置していたり、隠れて生活していると、あとで大きな問題になることも……。 2、出国命令制度って知ってる? 「オーバーステイ=すぐに強制退去」と思いがちですが、実はちょっと違います。 条件を満たせば、「出国命令制度」という仕組みがあって、もう少しやさしい形で帰国することができるんです。 こんな人は出国命令制度が使えるかも  ◦自分から入管に出頭した  ◦他に違反していない(働いていたなどがない)  ◦すぐに帰るつもりでいる  ◦過去に強制退去になったことがない この制度が使えると、再び日本に来るまでの期間も1年で済む可能性があります(強制退去だと原則5年…)。 3、特別な事情がある人は「在留特別許可」がもらえる可能性も たとえばこんな人は、すぐに帰国ではなく「在留特別許可」が認められる可能性もあります。(あくまで可能性です。絶対ではないので、そこは勘違いしないようにしましょう)  ◦日本人の配偶者と結婚している  ◦日本に住んでいる子どもが学校に通っている  ◦何年も日本でまじめに生活してきた  ◦特に悪いことはしていない(本当に在留期限だけ超えてしまった) よくあるご相談で「友達は大丈夫だった」など聞きますが、 入管は個々の状況により、在留資格を判断しますので、「友達が大丈夫=自分も大丈夫」にはなりません! ただ、入管もすぐに出国手続きなどをするのではなく、しっかり事情は聴いてくれます。ここについては専門家に相談するのがおすすめです。 4、嘘はNG!正直に話すのが一番! 入管では、「どうしてオーバーステイになったのか?」を聞かれます。そのときは、できるだけ正直に事情を話しましょう。嘘をついたり、ごまかしたりすると、かえって状況が悪くなってしまいます。 5、オーバーステイで起こるリスクって? リスク 内容 強制退去 自分の意思とは関係なく、日本から出なきゃいけなくなる 再入国禁止 原則5年間は日本に戻ってこれない(悪質だと最悪10年になることも…) 罰則 1年以下の懲役または20万円以下の罰金になることも 「悪質」とみなされる主なケースとは? 法的には明確な定義はありませんが、入管の運用上、次のようなケースは悪質と判断される可能性が高いです。 ケース 説明 長期間の不法滞在 数年以上にわたってオーバーステイを続けていた場合 虚偽申告・偽造書類 入国や在留更新の際にウソの情報や偽造書類を使っていた 不法就労 資格外の仕事(例:資格外活動許可なしでバイト)をしていた、または長期にわたり働いていた 逃亡・かくまわれていた 失踪して行方をくらましていたり、他人にかくまわれていた 出頭せず摘発された(リピーターの場合など) 自ら出頭せずに、入管や警察に摘発されて発覚した場合 まとめ:一人で悩まないで。相談してください!

永住権なしでも住宅ローンは組める?

「日本で家を買いたい。でも永住権がないと住宅ローンは無理ですか?」 これは、就労ビザや家族滞在ビザなどで日本に住んでいる外国人の方からよくいただくご相談です。結論から言うと、永住権がなくても住宅ローンを組むことができる可能性はあります。ただし、いくつかの条件や注意点があります。この記事では、永住権がなくても住宅ローンを組めるケースや、審査を通すためのポイントをわかりやすく解説します。 1、永住権がない外国人でも住宅ローンは可能! 【大前提】永住者・定住者の方が有利な理由 住宅ローンは長期(通常20~35年)の契約です。そのため銀行は、「その人が長期間日本に安定して住み続けられるか」を重視します。  ◦永住者や定住者は、日本に恒久的に住むことが認められているため、住宅ローンの審査において「信用が高い」と評価されます。  ◦その結果、保証人不要・外国人向け特約不要で、日本人とほぼ同様の条件でローンを組めることがあります。 可能性のある在留資格 多くの銀行は「永住権保有者であること」を条件にしていることがありますが、実際には以下のようなビザでも住宅ローンが通った事例があります。  ◦就労ビザ(技術・人文知識・国際業務など)  ◦高度専門職ビザ  ◦日本人の配偶者等ビザ  ◦家族滞在ビザ(配偶者と収入合算する場合) つまり、永住権がない=住宅ローン不可というわけではありません。 2、永住権なしで住宅ローンを通すためのポイント では、永住権がなくても住宅ローンを通すためには、どんな条件をクリアする必要があるのでしょうか? ポイント1:在留期間の「長さ」と「安定性」  ◦残りの在留期間が通常「3年」以上、または残存期間が「1年以上」あることが望ましい  ◦過去に何度も在留期間の更新実績がある  ◦永住や長期滞在の意思が明確(申請予定など) ポイント2:安定した収入と職歴  ◦同じ勤務先で2年以上の勤務歴、転職回数が少ない。  ◦年収400万円以上が目安(地域による)  ◦昇給や継続雇用の見込みがある ポイント3:頭金をしっかり準備  全額フルローンは難しい場合が多いため、通常より少し多めの頭金を購入額の2〜3割を用意できると有利 ポイント4:連帯保証人(日本人)の存在  ◦配偶者が日本人であれば、大きなプラス材料  ◦永住者の家族が保証人になれると審査が通りやすくなるケースも  ◦書類の理解・契約説明を理解できる日本語力が求められることもある 3、永住権がなくても対応してくれる銀行・ローン例 銀行名 特徴 三菱UFJ銀行 一部店舗で外国人住宅ローンに対応。就労ビザでも審査OK例あり 新生銀行 外国人対応に積極的。英語対応可、オンライン相談も りそな銀行 永住権なしでも審査可能。職歴・収入の安定性が重視される フラット35 民間金融機関+住宅金融支援機構の連携ローン。永住権不要(要件あり) SBI新生銀行、イオン銀行など ネットバンク型でも対応例あり。条件は事前に確認を 4、よくあるQ&A まとめ:永住権がない外国人でも住宅ローンは可能だけど… 永住権の有無 住宅ローン 永住権あり スムーズに審査可能。条件も緩やか 永住権なし 条件付きで可。ただし審査は慎重に行われる。かならず事前相談すること! ポイントは以下のとおり  ✔在留期間が長く、収入が安定していること  ✔頭金や連帯保証人の準備  ✔外国人対応に理解のある銀行を選ぶこと…

外国人が銀行口座をつくるときに注意すること

日本に暮らす外国人にとって、銀行口座の開設は生活の基盤となる大切なステップです。給与の受け取りや家賃の支払い、公共料金の引き落としなど、日本の生活において銀行口座は欠かせません。 しかし、実際には「口座を作りたくても断られてしまった」「必要な書類が分からない」など、スムーズに口座開設ができない外国人の声も少なくありません。この記事では、外国人が日本で銀行口座を作れない主な理由と、開設に必要なポイント、さらに「住宅ローン」の可否についても解説します。 1、日本で銀行口座を開設する際の基本手続き 銀行口座を作るには、以下のような書類や情報の提示が必要です  ◦在留カード(有効なもの)  ◦パスポート  ◦住民票または公共料金の請求書などの現住所を確認できる書類  ◦電話番号(一部の銀行ではSMS認証を行うため)  ◦印鑑(後述)  ◦職業・勤務先の情報(就労ビザの場合) 銀行によっては、収入証明(給与明細・雇用契約書)や在留資格の期間が一定以上あることを求める場合もあります。また、留学生など就労していない場合は、学業に関する情報(学生証・在籍証明書)を求められることもあります。 2、銀行ごとの外国人対応状況 ~大手銀行と地方銀行の違い~ 一概には言えませんが、大手都市銀行と地方銀行・信用金庫には以下のような違いがあります。 大手都市銀行  ◦外国人対応に慣れており、英語対応窓口がある店舗も多い  ◦留学生や技能実習生への案内パンフレットがある場合も  ◦フィナンシャルアプリやWebサイトも多言語対応していることが多い  ◦「初来日」や「在留期間が短い」場合は、審査が厳しい傾向あり   地方銀行・信用金庫  ◦外国人対応に不慣れな場合が多く、窓口担当者によって対応が異なる  ◦日本語でのコミュニケーションが必須のケースがある  ◦銀行のアプリがなかったり、webサイトが英語対応でない場合もあり。 共通の項目として、法人口座の設立の審査は厳しい+審査に結構な時間がかかります!(昨今のマネーロンダリング犯罪の防止の観点より) 3、在留資格ごとの口座開設の可否と注意点 一概にはいえませんが、銀行は「その人が日本にどれだけ安定して住んでいるか(定住性)」を重視します。これは在留資格の種類によって評価が異なるため、審査に影響します。 在留資格 口座開設の可否 注意点 永住者 ほぼ問題なし 定住性が高く、日本人とほぼ同様の扱い 定住者 比較的スムーズ 永住者と同様、信用されやすい 就労ビザ(技人国など) 条件付きで可 勤務先情報、契約期間、年収などが審査対象 留学ビザ 銀行により対応分かれる 日本語での意思疎通、滞在期間の短さがネックになる場合あり 短期滞在 原則不可 観光ビザや短期滞在者は基本的に開設不可 とくに留学生や技能実習生は、在留期間や就労制限などの理由で慎重に審査される傾向があります。 4、口座開設時に必要な「印鑑」の取り扱い 日本では、本人確認や契約に印鑑(ハンコ)を使う文化があります。銀行口座を作るときにも、サインではなく印鑑の登録が求められるケースが多くあります。 印鑑についてのポイント  ◦外国人でも印鑑を作ることは可能(文房具店・ネット注文でOK)  ◦名前はローマ字でも可だが、銀行によってはカタカナ表記などを求められることも  ◦「認印」で十分な場合もあるが、ビジネス用途や法人口座では「実印」が必要なことも 最近ではオンライン口座(ネット銀行)ではサインで代用できる場合も増えています。 5、銀行口座が必要な「住宅ローン」は外国人でも使えるのか? 外国人でも住宅ローンは可能だが条件あり…

経営・管理ビザとは?会社設立からビザ取得まで

「日本で起業したい」「自分のお店を持って働きたい」そんな外国人の方が取得を目指すのが、在留資格「経営・管理」です。就労ビザのなかでも特に取得の要件が難しいと言われています。 この記事では、経営管理ビザの要件や立ち上げられる事業の例、行政書士がどのように支援できるかを、実務経験に基づいてわかりやすく解説します。 1、経営・管理ビザとは? 日本で会社を立ち上げ、経営または管理に関与するための在留資格です。「就労」ではなく「起業」や「法人のマネジメント」を目的とする外国人が対象です。単に「働く」のではなく、自分でビジネスを立ち上げ、運営していく人向けのビザといえます。 2、経営管理ビザで立ち上げやすい具体的な事業例 業種 具体例 飲食店経営 レストラン・カフェ・外国料理店など 輸出入ビジネス 自国の食品・雑貨の輸入、日本製品の輸出 ECサイト運営 楽天・AmazonなどのEC内でのオンライン販売 不動産紹介 外国人向け賃貸物件の仲介 通訳・観光関連 観光ツアー・訪日客サポート 人材育成・教育支援 技能実習・特定技能の候補者研修 中古車輸出 日本の中古車を海外へ販売 Webサービス 自社アプリ・システム開発 重要なのは、「実態のある事業として継続できるか」です。 3、経営・管理ビザの取得要件【詳細解説】 ここでは、「経営・管理ビザ」を取得するための要件を大きく5つにわけて解説します! 要件①:事業所の実体があること(バーチャル不可) 「実際に経営活動を行う場所=事務所・店舗・オフィス」が存在し、使用権限があることが必須。 ≪チェックされるポイント≫ 見られる内容 審査官の視点 賃貸契約書の名義 法人名義(または予定法人名+代表者)であるか 用途 「事務所・店舗」用途になっているか(居住用やバーチャルオフィスNG) 独立性 住居と兼用であっても、明確な事務スペースの区分が必要 写真資料 看板・デスク・備品・PCなどがあるか=実際に使用しているかが大事 よくあるNG例は「住宅を法人の所在地としたが、明確な区分けができていない」というものです。 1LDKマンションの一部のリビング(8畳)を事務所として使用し、間仕切り棚などで空間を仕切り、来客用の小さな応接スペース+業務机やPCを設置し、賃貸契約書に「住居兼事務所」と明記した場合で許可された事例であったり、 玄関は共通だが、1階を全て事務所にしており、住居スペースは2階のみとし、1階に法人名のプレート、専用の電話・Wi-Fi環境を整えた場合、家族と同居でも、「空間的独立性」があると認められやすいため、許可された事例などもあります。 一概に「これはOK!」と言えないところはあります。ただ、明確に物理的な事務所を借りた場合などは基本的に大丈夫ですので、ここを基準にしていただければと思います。 要件②:事業の継続性と実現可能性 「そのビジネスが本当に継続できそうか?」を、事業計画書や資金繰り計画などから判断されます。 ≪チェックされるポイント≫ 見られる内容 審査官の視点 収支計画(3年分) 赤字続きではNG。黒字化できそうな見込みがあるか 商品やサービスの内容 何を・誰に・いくらで売るのか?ターゲットが明確か 顧客や取引先の有無 すでに契約予定の顧客がいると信頼性が高まる 経営者の経験…

支援計画書とは?登録支援機関が必ず押さえたい特定技能の重要書類

「特定技能ビザの申請に“支援計画書”が必要と聞いたけど、何を書けばいいの?」「書類が形式的でよく分からない」「行政書士に頼むべき?」 このようなご相談をよくいただきます。 この記事では、登録支援機関や企業担当者向けに「支援計画書とは何か」を、実務に基づいてわかりやすく解説します。 1、支援計画書とは? 支援計画書(正式名称:支援に係る計画書)とは、「特定技能1号」の外国人を受け入れる際に、登録支援機関または受入企業自身が外国人に対して実施する生活支援の具体的な計画をまとめた書類です。 これは単なる形式文書ではなく、入管への在留資格申請に必須の添付資料であり、作成・履行の義務がある重要な書類です。 2、どんな内容を書くの?(記載項目の例) 支援計画書では、以下のような項目を1つずつ具体的に記載します 支援項目 内容の例 出入国時の送迎 空港で誰が出迎え、どの手段で移動するか 住居確保支援 不動産仲介への同行、通訳サポートの有無 生活オリエンテーション ごみ出し、交通ルール、災害時の対応などの説明 日本語学習支援 学習ツールの紹介、講座への斡旋 相談・苦情対応 外国語対応が可能な担当者名・連絡先 社会保険・税の手続支援 市役所同行や説明の有無、言語対応 離職・転職時の対応 ハローワークへの案内や支援内容 例えば、一番上の【出入国時の送迎に関する支援】でも、  ◦空港名(例:成田・羽田・関空など)  ◦出迎え担当者の氏名・役職(誰が対応するのか)  ◦移動手段(例:社用車/公共交通機関の同行など)  ◦送迎のルートや到着予定地(社宅、住居など)  ◦使用する言語(基本は母語) などを詳細に記載する必要があります。 3、様式はどうなっている? 支援計画書の様式は、法務省のホームページでExcel形式(参考様式第1-17号)が提供されています。 ▶ 出入国在留管理庁「特定技能」様式ページ(外部リンク) 書式に沿って入力し、申請時に添付書類として提出します。また、外国人の母国語(ベトナム人であればベトナム語)を併記する必要があります。 これは、入管庁の方針として、外国人本人が理解できる言語で支援することが原則となっているためです。支援計画書は、外国人本人にとって「日本での生活の設計図」ともいえるものです。よって、日本語だけで提示しても、本人が理解できなければ意味がありません。 また、支援実施後の誤解やトラブルを予防するためにも、「本人が理解した証拠」を残す=母国語併記された文書の説明+署名が望ましいとされています。 4、支援計画書の作成者は誰? ケース 作成・提出する主体 登録支援機関に委託する場合 登録支援機関が作成・履行(行政書士が支援可能) 企業が直接支援する場合 企業が自ら作成(外国語対応等が必要) 支援計画は「書くだけで終わり」ではありません。記載した内容を実際に実施できない場合、不履行として指導対象になることもあります。 5、よくある失敗例と注意点 しっかりと記入例を見て、詳細を書くことが大切です。 ✅①「通訳が対応します」→ どの言語?誰が?が不明。 →対応者名・使用言語・時間帯を具体的に記載 ✅②「ゴミの捨て方などを説明予定」→ 内容・方法・タイミングが不明 → オリエンテーションの実施内容とタイムスケジュールを記載…

登録支援機関とは?特定技能の外国人受け入れに欠かせないパートナー

「特定技能で外国人を雇いたいけど、支援体制って何?」「登録支援機関って名前は聞くけど、どう関わればいいの?」 そんな疑問を持つ中小企業の経営者・人事担当者の方も多いのではないでしょうか。実はこの「登録支援機関」、特定技能外国人を受け入れるうえで非常に重要な存在です。今回はその概要と役割、なぜ連携がカギになるのか、わかりやすく解説します。 1、登録支援機関とは? 登録支援機関とは、法務省の出入国在留管理庁(入管庁)に正式に登録された法人または個人で、特定技能で働く外国人に対して、生活面や職場定着の支援を行う専門機関です。法務省に登録されており、企業に代わって「法定支援業務」を実施することができます。 2、なぜ登録支援機関が必要なの? 特定技能1号の外国人を雇用する企業には、在留中の生活・就労支援を実施する法的義務があります(=「支援計画」の履行義務)。しかし、支援業務は多岐にわたり、特に中小企業では自社のみで対応するのは難しいのが現実です。 そのため、政府は「支援の専門家」として登録支援機関の制度を用意し、企業が外部に支援業務を委託できる仕組みを整えました。 3、特定技能ビザにおける「支援業務」とは? 登録支援機関が代行する支援内容は、次の10項目で構成される「義務的支援」です。 10の法定支援項目 特定技能外国人を受け入れる企業は、この支援を自ら行うか、登録支援機関に委託するかを選ぶ必要があります。 4、登録支援機関と企業との関係 登録支援機関 企業(受け入れ機関) 支援業務を代行 雇用契約を直接結ぶ 支援計画の作成補助 支援計画を入管へ提出 面談・報告を実施 入管手続き・在留管理を補助 月額報酬などで契約 支援コストを負担する 登録支援機関は企業の外注先ですが、「単なる代行業者」ではなく、入管法上の責任ある支援主体でもあります。 5、登録支援機関と連携するメリット ✅① 外国人支援のプロが支援を代行してくれる 特定技能制度の支援内容は専門性が高く、書類や記録も必要。登録支援機関を活用すれば、これらの業務を丸ごと外部に委託できます。 ✅② 入管手続きの信頼度が高まる 申請時に「登録支援機関と契約済み」と記載することで、入管の審査でも安心感を与えやすく、許可率も上がる傾向があります。 ✅③外国人材が定着しやすくなる 生活や言語の不安を解消できるため、離職リスクが減り、長期的に働いてもらえる環境が整います。 4、登録支援機関を使わないとどうなる? もちろん、企業自身で支援することも可能です(「自社支援」といいます)。ただし…  ◦外国語対応ができる人材が必要  ◦支援内容の記録・報告義務あり  ◦不十分だと更新不許可や制度違反になるリスク 初めて外国人を雇う企業や、社内に余裕がない企業では、かなりハードルが高いです。 6、登録支援機関の選び方 登録支援機関は全国に数千あります。選ぶ際は以下をチェックしましょう チェックポイント 確認内容 登録番号・法務省のリストに掲載されているか 正式に登録されているか 対応言語 外国人材の母語に対応できるか 対応エリア 自社の所在地や外国人の居住地に対応できるか 業種経験 その業種に強いか(介護・外食・建設など) 支援内容の柔軟さ 自社に合わせたプランがあるか 7、まとめ|登録支援機関との連携は「特定技能運用の土台」