永住ビザ

【永住権の話:第1回】永住権ってなに?ビザとの違いと申請するメリットを整理

色々なお客様から「永住権が欲しい!」と言われます。「永住と今のビザで何が違うの?」と聞かれると、外国人を雇用している企業様もお応えするのが難しいのではないしょうか。永住権(=永住許可)は、日本に中長期的に在留する外国人にとって、非常に大きな節目となる在留資格です。ここから3回の記事に分けて永住権の話をしたいと思います。 第1回は、就労ビザや身分系ビザからステップアップを考えている方や、企業として支援を検討する人事担当者様向けに、永住申請の基本と帰化との違い、そして申請のメリットと具体例をまとめます。 1、「永住」と「帰化」の違いとは? まずは混同されがちな「永住」と「帰化」の違いを明確にしておきましょう。 項目 永住申請 帰化申請 日本国籍の取得 しない(国籍そのまま) する(日本人になる) 在留資格 「永住者」になる 日本人なので不要になる 活動の自由 あり(就労・転職も自由) 同様に自由 パスポート 母国のパスポートのまま 日本のパスポートを取得 選挙権 なし(国籍を持たないため) あり(日本人になる) 申請先 出入国在留管理局(入管) 法務局 審査期間 4〜6か月が目安 1年程度かかることが多い ▶ 永住は“外国人のまま、ずっと日本に住める資格”▶ 帰化は“外国籍から日本国籍に変わる手続き” 2、永住申請をするメリット 本人にとってのメリット  ◦ビザの更新が不要になる(期間の制限がない)  ◦就労や転職が自由にできる  ◦家族のビザ申請がしやすくなる(例:配偶者や子ども)  ◦社会的信用が高まり、住宅ローンやクレジット契約に有利になる 企業にとってのメリット  ◦家族帯同も含めた安定した定着支援につながる本人にとってのメリット  ◦就労ビザの更新サポートから解放される  ◦不許可による離職リスクがなくなる  ◦長期的な雇用計画が立てやすくなる 3、永住申請は就労ビザ・身分系ビザの両方から可能 永住申請は「技術・人文知識・国際業務」などの就労系ビザだけでなく、「日本人の配偶者等」「定住者」「永住者の配偶者等」などの身分系ビザからも申請可能です。 それぞれのビザで、審査上見られるポイントや申請可能なタイミングは異なります。次回以降の記事で詳しく取り上げますが、ここでは代表的な2つの事例をご紹介します。 【事例①】就労ビザからの永住申請 ― 技術・人文知識・国際業務ビザ → 永住者へ Aさんは、横浜のメーカーで5年間働く外国人技術者。日本の大学を卒業後に採用され、年収は約420万円。社会保険や税金もきちんと支払い続けてきました。将来もこの会社で働き続けたいという希望から、永住申請を決断。 ✔ 在職証明・源泉徴収票など、企業からの書類協力を得て、スムーズに申請。✔ 結果、更新手続きが不要となり、会社側も長期的な雇用計画を立てやすくなりました。 【事例②】身分系ビザからの永住申請…

長く働いてもらうために!永住申請や家族帯同ビザへのステップアップ

外国人社員を採用し、業務に慣れてきたところで「このまま長く働いてもらいたい」と考える企業も多いのではないでしょうか。そのためには職場環境の整備と同時に、在留資格の安定化=ビザのステップアップが大切になります。 本記事では、就労ビザからのステップアップとして重要な「永住申請」や「家族帯同ビザ」について、企業側が知っておくべき基本と対応のポイントをまとめます。 1、就労ビザだけでは“定着”には不十分? 結論からいうと「そんなことはありません」 ただ、「日本人の配偶者等」や「定住者」でない限り、現在、外国人材の多くは「技術・人文知識・国際業務」などの就労系ビザで在留しています。しかし、就労ビザは「期間付き」の資格であり、1年・3年・5年などの更新が必要です。そうなると申請者本人も企業側にも以下のように大きな負担が発生します。 例:   ◦定期的な更新手続き(書類準備・審査時間)  ◦更新結果への不安(万が一、不許可になった場合の対応)  ◦将来設計が立てづらい(本人側) そのため、「長く日本で働きたい」と考える外国人社員は、一定期間が経つとより安定した在留資格への変更や永住申請を目指すケースが多くなります。 2、永住申請とは?企業との関係性も見られる 「永住者」となると、在留期間の更新が不要になり、職業の変更にも柔軟に対応できます。つまり、企業にとっては“更新を気にせず雇い続けられる”メリットがあります。 永住申請の主な条件(抜粋)  ◦原則として10年以上日本に在留(就労系ビザの場合は5年以上)  ◦安定した収入と納税実績があること  ◦素行が良好であること  ◦公的義務(年金・健康保険など)を履行していること この審査の中には、勤務先での安定雇用・在職状況も含まれます。そのため、企業としては以下のような点で協力することが望まれます。 企業にできるサポート例  ◦在職証明書の発行  ◦勤務実績や業務内容の説明書類  ◦長期雇用の意思を示す契約内容・評価制度など 3、家族帯同ビザで「生活の安定」も支援 外国人社員が安心して長く働くには、生活面の安定も大きな要素です。特に、家族と一緒に日本で暮らせる環境が整っているかどうかは、本人の定着に直結します。 家族帯同ビザ(=家族滞在)の特徴  ◦配偶者や子どもを日本に呼ぶための在留資格  ◦審査では、収入や居住環境、生活能力が確認される  ◦企業の支援があると、申請がスムーズに進みやすい 企業側ができることは多くありませんが、在職証明や給与証明の提出など、書類面での協力を求められる場合があります。 ≪家族滞在については以下の記事でもっと詳細に説明しています。併せてお読みいただけたらと思います。≫  ◦【家族滞在ビザ】取得方法を徹底解説!  ◦ 「家族滞在」ビザって身分系の在留資格じゃない?? 4、まとめ:企業が意識しておくべき4つの視点 外国人を雇う企業側にも以下の視点を持つだけで、外国人がもっと働きたいと思う環境、強いては外国人雇用の定着につながっていくと思います。 観点 内容 ① 制度理解 ビザの種類と要件の基礎知識を持つこと ② 本人との対話 将来の希望や家族の状況を聞ける体制づくり ③ 書類協力 在職証明・勤務説明など、客観的な裏付け資料の準備 ④ 雇用設計 長期雇用を前提とした契約期間・キャリアパスの設計