お役立ちコラム(在留資格・外国人雇用)

外国人が日本に来た後に“よく問題になる手続き”7選

日本での生活をスタートさせたばかりの外国人の方から、「何をすればいいのか分からない」「気づいたら期限を過ぎていた」など質問を多く受けます。 この記事では、日本に来たばかりの外国人が“つまずきやすい手続き”を7つ厳選し、具体的な問題点と対策をわかりやすくご紹介します。 1.住民登録・在留カードの住所変更を忘れる 【よくある問題】 「住む場所が決まっていたけど、市役所での手続きを忘れていた…」実は、住民登録や住所変更は14日以内に行う義務があります。 【対策】 入国後に住居が決まったら、できるだけ早く市区町村役場へ行って  ◦住民登録  ◦在留カードの裏面に新住所を記載 を行いましょう。企業などに所属する場合、是非、申請人のフォローをしてあげてください。 2.国民健康保険・年金の加入が遅れる 【よくある問題】 「病院に行ったら保険証がなくて全額負担になった!」就労ビザで来日した方でも、会社が社会保険に入れてくれない場合、個人で国民健康保険に加入する必要があります。 【対策】 勤務先が社会保険に加入しているか確認未加入なら、役所で国保・国民年金に加入する 保険未加入だと、あとから高額の請求がくる可能性もあるので注意しましょう。 3.銀行口座を開設できない 【よくある問題】 「仕事で給料を振り込みたいのに、口座が作れない…」 日本では、在留カードと住民票の住所が一致していないと銀行口座が開設できないことが基本です。 【対策】  ◦まずは住民登録を済ませ、在留カードの住所も一致させる  ※大体1.の住民登録ができていない方が大半です!!まず、役所で14日以内に住民登録や住所変更をしてください。  ◦メガバンクや外国人対応に慣れているネット銀行を選ぶのも◎ 4.携帯電話の契約ができない 【よくある問題】「 パスポートを持っていったのに契約できなかった…」多くの携帯会社は、在留カードと住民票をセットで提示することを求めています。 【対策】  ◦契約時には「在留カード+住民票(発行後3か月以内)」を準備  ◦日本語対応が難しい場合は、外国人サポート対応の会社を選ぶのも手段の一つ 5.ゴミ出しや騒音など、生活ルール違反で地域の方々とトラブルに 【よくある問題】「 「ゴミの出し方がわからない」「近隣から苦情がきた」 日本では、地域ごとに細かいルール(分別・曜日・時間)があり、守らないとトラブルの元になります。 【対策】  ◦入居時に不動産会社や役所で生活マナーの資料をもらっておく  ◦英語・やさしい日本語版のごみ出しルールを活用する  ◦就労ビザなどの場合、雇い側がサポートしてあげると今後の外国人雇用拡大にもつながっていきます。 6.就労条件を誤解して資格外活動に 【よくある問題】 「働いていいと思ってアルバイトを始めたら不法就労に…」  ◦留学ビザや家族滞在ビザで資格外活動許可を取らずに働いた  ◦技人国ビザで認められていない単純労働(コンビニ・倉庫作業など)をしてしまった 【対策】 自分の在留カードの資格欄を必ず確認してください。不安な場合は、事前に行政書士など専門家に相談をしましょう。就労ビザの場合は必ず雇い側の企業に確認をするようにしてください! 7.在留期間の更新を忘れて不法滞在に 【よくある問題】 「気づいたらビザの期限が切れていた!」在留期間が切れてしまうと、不法滞在として強制退去や再入国禁止の対象になります。 【対策】 有効期限の3か月前から更新可能なので、早めに更新手続きをしましょう。書類準備に時間がかかることもあるため、早く準備するにことの越したことありません。 また、スマホのカレンダーや通知アプリなどでご自身の期限を管理しましょう。オーバーステイ(不法滞在)になってしまわないようにしっかりとご自身の在留期限を知っておく必要があります。 まとめ|「制度を知らなかった」では済まされない手続きも

定住者ビザとは?対象・特徴・申請のポイントをわかりやすく解説

要件が整えばしっかり許可の可能性が上がる、就労ビザなどと異なり、ちょっと特別な状況での選択肢となるのが「定住者ビザ」です。 この記事では、在留資格「定住者」について、対象となる人の条件や特徴、申請時の注意点などをわかりやすく解説します。 1、定住者ビザとは? 定住者ビザ(在留資格「定住者」)とは、法務大臣が特別に許可した外国人に与えられる在留資格です。明確な活動目的(就労や留学など)に縛られず、日本での生活の実態に応じて在留を認める柔軟な在留資格です。 2、定住者ビザの対象者(例) 定住者は、「この人の在留を特別に認めるべき」と判断された人が対象です。以下のようなケースが該当します。 ケース 内容 日本人・永住者と離婚または死別した配偶者 日本での子育てや生活基盤がある場合など 日本で生まれた外国籍の子ども 在留資格を持つ親の子で、引き続き日本で生活する場合 日系人(二世・三世) 日系ブラジル人・ペルー人などの親族訪問や定住希望 技能実習・特定活動終了後の特例 生活実態や家族の状況から、定住が認められることもあり 難民認定されなかったが人道的配慮が必要なケース DV被害者など、法務大臣の裁量により特別許可が出ることも 3、定住者ビザの特徴とメリット 項目 内容 在留期間 原則1年・3年・5年(更新可) 就労制限 なし(職種の制限なし) 家族の帯同 配偶者・子どもの在留も可能(家族滞在など) 永住申請 条件を満たせば将来的に永住申請可能 自由度 アルバイト・転職・副業・自営業もOK 他の在留資格(就労ビザなど)と比べても、自由度が高く生活しやすいビザです。 4、「定住者」と「永住者(永住権)」の違い よくご相談者様からお聞きされるのが、「定住者と永住権の違いは何?」です。 実は結構異なる在留資格になりますので、以下の表をご覧ください。 比較項目 定住者 永住者(永住権) 在留資格の分類 特定活動(個別に許可) 永住許可された在留資格 取得方法 法務大臣の個別判断により与えられる 永住申請(条件あり)によって取得 在留期限 あり(1年・3年・5年など) なし(無期限) 更新手続き 必要(在留期間ごとに) 不要(在留カード更新のみ) 就労制限 なし(職種自由) なし(同じく自由) 家族の帯同 可能(別途ビザ申請必要)…

【永住権の話:第3回】永住申請の準備と注意点まとめ|企業・家族・本人ができるサポート

永住申請は「要件を満たしていれば自動的に通る」ものではなく、その内容を“資料で証明”する手続きが必要です。永住権の話シリーズ第3回は、永住申請をスムーズに進めるための準備内容と注意点、そして 企業・家族・本人がそれぞれできる支援について解説します。 1、永住申請の一般的な流れ 2、本人が準備すべき基本書類 書類名 説明 永住許可申請書 入管の公式書式に記入 写真(縦4cm×横3cm) 6か月以内の顔写真(背景無地) パスポート・在留カードのコピー 有効期限内のもの 住民票 同居家族を含む全員記載のもの 納税証明書(市区町村) 過去1年分以上が望ましい 課税証明書 過去1~3年分 源泉徴収票 会社勤めなら過去1〜2年分 年金保険料の納付状況確認書 未納がないか重要 ※書類はすべて3か月以内発行のものを提出※そのほか、申請者の状況に応じて追加書類あり(理由書、経緯書、生活状況報告など)特にが出入国多い・在留継続性が疑われる方は正当な理由と補足説明資料を用意する必要があります。 3、企業が協力できること(就労ビザの方) 企業は直接申請する立場ではありませんが、信頼できる雇用先の存在は審査で高く評価されます。 【よく求められる書類や支援内容】  ◦在職証明書(役職・業務内容・在職期間を明記)  ◦雇用契約書や労働条件通知書(最新のもの)  ◦勤務状況説明書(定型でなくてもOK)  ◦業務に関するパンフレットやWeb資料(会社紹介など) ※収入の安定性・業務の継続性を示せる書類が好まれます。 4、家族が支援できること(配偶者ビザ・定住者の方) 永住申請は家族単位で行うケースも多く、家族の支援や証明も審査に影響します。 【具体的にできるサポート例】  ◦配偶者の納税・収入証明(世帯年収として評価される)  ◦同居の証明(住民票や賃貸契約書)  ◦結婚生活の継続性を示す資料(写真・経緯書など)  ◦家族単位での生活安定を示す説明文 ※「本人に収入が少ないが、配偶者の収入で家庭が支えられている」などのケースでは、世帯単位の生活力が評価されます。 5、まとめ|「協力を得て、実態を見せる」ことが成功のカギ

【永住権の話:第2回】永住申請の条件を徹底解説!就労ビザ・身分系ビザごとの違いとは?

外国人が日本に「ずっと」住み続けるための手段として、多くの方が検討するのが「永住申請」。ただし、永住者になるためには一定の条件を満たす必要があり、その内容は在留資格の種類によっても異なります。第2回では、就労ビザと身分系ビザの違いを踏まえて、永住申請に必要な条件を詳しく解説。また、併せて「帰化申請との違い」についても触れながら、判断の参考になるようにお伝えします。 1、そもそも永住申請に必要な条件とは? 出入国在留管理庁が公表している「永住許可に関するガイドライン」によれば、永住申請には以下の3つの条件が必要です。 永住申請の3つの基本条件 ✅① 素行が善良であること(素行要件) 【意味・審査内容】 日本の社会ルールを守り、誠実に生活しているかどうか。法律違反や不適切な行動がないか、納税・年金義務を果たしているかなどが見られます。 【チェックされる主なポイント】  ◦過去に 交通違反(特に複数回) があるか  ◦税金(住民税・所得税など)を滞納していないか  ◦健康保険・年金への加入状況と支払い実績  ◦犯罪歴やトラブルの記録(軽微でも注意されることあり) 【よくあるNG例】  ◦軽微な交通違反でも 年に複数回 →「遵法意識が低い」と判断されることがある  ◦ 「国民年金を未納のまま放置していた」→支払い履歴で判明し、不許可の可能性あり Aさん(中国出身)は就労ビザで5年在留しており、業務成績も優秀。しかし、スピード違反2回・駐車違反1回が1年以内に重なり、「素行不良」と判断されて不許可に。反省文を添えて半年後に再申請し、今度は許可が出た。 ✅② 独立生計を営むに足りる資産または技能を有すること(自立要件) 【意味・審査内容】 日本で生活保護などに頼らず、自力で安定的に生活できること。年収や就労状況、扶養家族とのバランスもチェックされます。 【チェックされる主なポイント】  ◦収入水準(目安:単身で年収300万円以上が安全圏)  ◦雇用形態(正社員 or 契約・派遣・パート)  ◦家族構成(扶養者の数)とのバランス  ◦収入源の安定性(副業のみなどは不安定と判断されやすい) Bさん(フィリピン出身)は、飲食業でパートとして勤務している「日本人の配偶者」。本人の年収は130万円だが、配偶者(日本人)の収入がしっかりしており、世帯として安定していると評価されて許可された。 ▶ 「本人の収入だけ」ではなく、「家族全体での生活の安定性」も考慮されることがあります。 ✅③ 原則として10年以上継続して日本に在留していること(在留期間要件) 【意味・審査内容】 一定期間、継続して日本に合法的に在留し、安定した生活を送ってきたかを確認します。ただし、在留資格により 緩和措置 あり。 【基本ルール】  ◦原則10年以上日本に在留→ うち就労ビザで5年以上  ◦ 「日本人の配偶者等」→ 結婚3年以上かつ日本在留1年以上  ◦「定住者」→ 5年以上の在留実績 【よくある注意点】  ◦留学や技能実習期間はカウントされない(特定の条件を除く)  ◦海外出張や一時帰国が多いと「継続性」が疑われる場合がある Cさん(フィリピン出身)は、日本人と結婚して「日本人の配偶者等」ビザで4年間在留。実質は日本在住だが、毎年2〜3か月ほど母国に父の病気の看護で、帰国・長期滞在していたため、「継続性が弱い」と判断されて一度不許可に。今回は渡航履歴の理由説明と資料を提出し、許可された。 これら3つの条件は「形式」ではなく「実態」で見られます。永住申請においては、単に「収入がある」「年数が経った」というだけではなく、生活の安定・社会的信用・継続性といった“実態”が総合的に評価されます。 2、就労ビザの場合の永住申請条件 【主な対象ビザ】…

【永住権の話:第1回】永住権ってなに?ビザとの違いと申請するメリットを整理

色々なお客様から「永住権が欲しい!」と言われます。「永住と今のビザで何が違うの?」と聞かれると、外国人を雇用している企業様もお応えするのが難しいのではないしょうか。永住権(=永住許可)は、日本に中長期的に在留する外国人にとって、非常に大きな節目となる在留資格です。ここから3回の記事に分けて永住権の話をしたいと思います。 第1回は、就労ビザや身分系ビザからステップアップを考えている方や、企業として支援を検討する人事担当者様向けに、永住申請の基本と帰化との違い、そして申請のメリットと具体例をまとめます。 1、「永住」と「帰化」の違いとは? まずは混同されがちな「永住」と「帰化」の違いを明確にしておきましょう。 項目 永住申請 帰化申請 日本国籍の取得 しない(国籍そのまま) する(日本人になる) 在留資格 「永住者」になる 日本人なので不要になる 活動の自由 あり(就労・転職も自由) 同様に自由 パスポート 母国のパスポートのまま 日本のパスポートを取得 選挙権 なし(国籍を持たないため) あり(日本人になる) 申請先 出入国在留管理局(入管) 法務局 審査期間 4〜6か月が目安 1年程度かかることが多い ▶ 永住は“外国人のまま、ずっと日本に住める資格”▶ 帰化は“外国籍から日本国籍に変わる手続き” 2、永住申請をするメリット 本人にとってのメリット  ◦ビザの更新が不要になる(期間の制限がない)  ◦就労や転職が自由にできる  ◦家族のビザ申請がしやすくなる(例:配偶者や子ども)  ◦社会的信用が高まり、住宅ローンやクレジット契約に有利になる 企業にとってのメリット  ◦家族帯同も含めた安定した定着支援につながる本人にとってのメリット  ◦就労ビザの更新サポートから解放される  ◦不許可による離職リスクがなくなる  ◦長期的な雇用計画が立てやすくなる 3、永住申請は就労ビザ・身分系ビザの両方から可能 永住申請は「技術・人文知識・国際業務」などの就労系ビザだけでなく、「日本人の配偶者等」「定住者」「永住者の配偶者等」などの身分系ビザからも申請可能です。 それぞれのビザで、審査上見られるポイントや申請可能なタイミングは異なります。次回以降の記事で詳しく取り上げますが、ここでは代表的な2つの事例をご紹介します。 【事例①】就労ビザからの永住申請 ― 技術・人文知識・国際業務ビザ → 永住者へ Aさんは、横浜のメーカーで5年間働く外国人技術者。日本の大学を卒業後に採用され、年収は約420万円。社会保険や税金もきちんと支払い続けてきました。将来もこの会社で働き続けたいという希望から、永住申請を決断。 ✔ 在職証明・源泉徴収票など、企業からの書類協力を得て、スムーズに申請。✔ 結果、更新手続きが不要となり、会社側も長期的な雇用計画を立てやすくなりました。 【事例②】身分系ビザからの永住申請…

長く働いてもらうために!永住申請や家族帯同ビザへのステップアップ

外国人社員を採用し、業務に慣れてきたところで「このまま長く働いてもらいたい」と考える企業も多いのではないでしょうか。そのためには職場環境の整備と同時に、在留資格の安定化=ビザのステップアップが大切になります。 本記事では、就労ビザからのステップアップとして重要な「永住申請」や「家族帯同ビザ」について、企業側が知っておくべき基本と対応のポイントをまとめます。 1、就労ビザだけでは“定着”には不十分? 結論からいうと「そんなことはありません」 ただ、「日本人の配偶者等」や「定住者」でない限り、現在、外国人材の多くは「技術・人文知識・国際業務」などの就労系ビザで在留しています。しかし、就労ビザは「期間付き」の資格であり、1年・3年・5年などの更新が必要です。そうなると申請者本人も企業側にも以下のように大きな負担が発生します。 例:   ◦定期的な更新手続き(書類準備・審査時間)  ◦更新結果への不安(万が一、不許可になった場合の対応)  ◦将来設計が立てづらい(本人側) そのため、「長く日本で働きたい」と考える外国人社員は、一定期間が経つとより安定した在留資格への変更や永住申請を目指すケースが多くなります。 2、永住申請とは?企業との関係性も見られる 「永住者」となると、在留期間の更新が不要になり、職業の変更にも柔軟に対応できます。つまり、企業にとっては“更新を気にせず雇い続けられる”メリットがあります。 永住申請の主な条件(抜粋)  ◦原則として10年以上日本に在留(就労系ビザの場合は5年以上)  ◦安定した収入と納税実績があること  ◦素行が良好であること  ◦公的義務(年金・健康保険など)を履行していること この審査の中には、勤務先での安定雇用・在職状況も含まれます。そのため、企業としては以下のような点で協力することが望まれます。 企業にできるサポート例  ◦在職証明書の発行  ◦勤務実績や業務内容の説明書類  ◦長期雇用の意思を示す契約内容・評価制度など 3、家族帯同ビザで「生活の安定」も支援 外国人社員が安心して長く働くには、生活面の安定も大きな要素です。特に、家族と一緒に日本で暮らせる環境が整っているかどうかは、本人の定着に直結します。 家族帯同ビザ(=家族滞在)の特徴  ◦配偶者や子どもを日本に呼ぶための在留資格  ◦審査では、収入や居住環境、生活能力が確認される  ◦企業の支援があると、申請がスムーズに進みやすい 企業側ができることは多くありませんが、在職証明や給与証明の提出など、書類面での協力を求められる場合があります。 ≪家族滞在については以下の記事でもっと詳細に説明しています。併せてお読みいただけたらと思います。≫  ◦【家族滞在ビザ】取得方法を徹底解説!  ◦ 「家族滞在」ビザって身分系の在留資格じゃない?? 4、まとめ:企業が意識しておくべき4つの視点 外国人を雇う企業側にも以下の視点を持つだけで、外国人がもっと働きたいと思う環境、強いては外国人雇用の定着につながっていくと思います。 観点 内容 ① 制度理解 ビザの種類と要件の基礎知識を持つこと ② 本人との対話 将来の希望や家族の状況を聞ける体制づくり ③ 書類協力 在職証明・勤務説明など、客観的な裏付け資料の準備 ④ 雇用設計 長期雇用を前提とした契約期間・キャリアパスの設計

外国人社員の活躍を支える!社内体制づくりとコミュニケーションの工夫

外国人社員を採用し、就労ビザも無事に取得。しかし、そこで終わりではなく、その後の社内環境が本人の活躍と定着を大きく左右します。 この記事では、在留資格という観点から少し外して、外国人社員が能力を発揮しやすい職場づくりと、円滑なコミュニケーションのために企業ができる取り組みについてはなしていけたらと思います。 1、外国人社員の活躍を阻む「見えにくい壁」 外国人社員が日本企業で働くうえで、以下のような課題が発生しやすいと言われています(実際相談もあります。)  ◦言語の微妙なニュアンスの違い  ◦日本特有のビジネスマナーや慣習の理解不足  ◦チーム内での孤立  ◦曖昧な指示や役割分担の不明確さ  ◦上司・同僚に質問しにくい雰囲気 海外に行ったことがある方なら同じような気持ちをもったことがあるのではないでしょうか?言語や文化に違いで孤立感を感じるというのは決して少ないことではありません。さらに日本にきた外国人は何かのコミュニティーに入らないと、母国の方々と触れ合う機会もないことが結構あります。私たちもこの部分は配慮しなければならないところですよね。就労という部分をみれば、これらの要素が重なると、本来のパフォーマンスを発揮できず、早期離職の要因にもなります。 2、社内体制で整えるべき3つのポイント ✅①指示・業務マニュアルの「明文化」 あいまいな表現や、空気を読むことを前提とした業務指示は、文化的な背景が異なる社員には伝わりにくい場合があります。文書化されたマニュアルや、具体的な指示(例:「5W1H」を意識)を意識することで、認識のズレを防ぐことができます。 ✅②簡単な業務報告ルールの導入 業務の進捗や困りごとを定期的に共有する仕組みがあると、孤立を防ぎ、問題を早期に把握できます。例えば、週1回のミーティングやチャットツール・LINEなどでの進捗報告などはいかがでしょうか? 面談などしていても、海外の方はこちらが思っているよりもコミュニケーションをしっかりとりたい方が多い印象です。 ✅③相談しやすい窓口の設定・明確化 言語や上下関係の壁を意識しすぎると、問題が表に出にくくなります。「業務外のことも相談してよい」と伝えられるような、社内の窓口やメンター制度の設置が効果的です。これもコミュニケーションを重視する傾向が強い外国人ならではでないしょうしょうか。 3、コミュニケーションの工夫。小さな違いが大きな信頼に 📌①非言語コミュニケーションの重視 日本語が堪能な外国人社員でも、言葉の背景にある「空気」「気遣い」までは理解しづらい場合があります。特に「察する」などは日本文化独特なところがありますよね。感情の共有や、表情・声のトーンによるフィードバックも少し大げさにし、意識して取り入れることで、信頼関係を築きやすくなります。 📌②異文化理解の研修や情報共有 日本側の社員が「外国人だから…」と無意識に距離を置かないためにも、簡易的な異文化理解の研修や、社員同士のプロフィール紹介などを通じて、しっかりお互いを知る機会をつくることが有効です。たくさん、色々なことを話しましょう! 📌③言語レベルに配慮した伝え方 専門用語や敬語を過剰に使うと、内容が伝わらないことがあります。特に日本語は、日本語にしかない、ある意味「間を持たせる表現」が結構多い言語です。海外の方には伝わりにくいことがあります。可能であれば「やさしい日本語」や図解を活用するなど、相手の言語レベルに合わせた表現を心がけることがポイントです。 📌④これらは、チームで取り組む意識が大切! 外国人社員のサポートは、人事部門や直属の上司だけでなく、チーム全体で取り組むべき課題です。一人ひとりが「言葉が違っても仲間である」という認識を持てるような、働きかけや仕組みが、結果的にチームの生産性向上、お互いに働きやすい環境づくりにもつながります。 4、まとめ:制度と人の両面から支える社内体制が鍵 外国人社員の定着と活躍には、ビザや雇用契約といった「制度面」の整備だけでなく、日常的なコミュニケーションや職場環境の工夫といった“人の部分”の整備も重要です。社員一人ひとりが能力を発揮できる環境をつくることは、外国人・日本人を問わず、組織全体の健全化にもつながります。

外国人社員のビザ管理が甘いとどうなる?企業の法的リスクを解説

「就労ビザが取れたから、あとは本人に任せておけば大丈夫」そう思っていませんか? 外国人社員の在留資格(就労ビザ)は、企業が採用した後も“継続して適切に管理”していく必要があります。本記事では、ビザ管理が不十分なことで起こりうるリスクと、企業として取るべき具体的な対策について解説します。 1、ビザ管理とは何を指すのか? 企業が行うべきビザ管理とは、以下のような項目を定期的にチェック・対応することを指します:  ◦外国人社員の在留資格の種類と内容の把握  ◦在留期間(ビザの期限)の管理  ◦業務内容が在留資格に適合しているかの確認  ◦在留資格変更・更新のサポート  ◦社内での異動・昇進時のビザ影響の把握 これらを怠ると、知らぬ間に不法就労を助長してしまう危険性もあります。 2、ビザ管理が甘いと起こる3つの重大リスク ✅①外国人社員が「不法就労」状態になるリスク 在留期間を超えて就労を続けたり、許可された業務以外を行わせたりすると、不法就労になります。この場合、外国人本人だけでなく、企業側も不法就労助長罪に問われる可能性があります。 ✅②在留資格の「更新・変更」が間に合わないリスク 更新の申請タイミングを逃したり、業務内容変更に伴う在留資格変更を忘れていた場合、本人が働けなくなるだけでなく、突然の退職や帰国につながるケースもあります。 → 貴重な外国人材を失うだけでなく、代替人材の確保・教育に再び時間とコストがかかります。 ✅③採用体制全体の信頼失墜 ビザ管理が杜撰な企業は、行政からの監視対象にもなりやすく、将来的に外国人の採用が困難になる可能性もあります。 また、社内外から「管理がずさん」「法令遵守意識がない」という印象を持たれ、取引先や顧客からの信用にまで影響を及ぼすこともあります。 3、企業が取るべき3つの対策 ✅ 対策1|ビザ期限の一元管理を仕組み化 Excelやスプレッドシートを活用し、在留カードの有効期限を一覧で管理。1か月前にリマインドできるフローをつくるだけでも、リスクは大幅に減らせます。 ✅ 対策2|異動・昇進時のビザ要件チェックをルール化 部署異動や役職変更のたびに、ビザの適合性を確認する運用を社内に組み込みましょう。特に管理職への昇進時は「経営・管理」などの別ビザが必要になることも。 ✅ 対策3|外部専門家との連携 就労ビザに精通した外部の専門家に、定期的な確認や期限管理のサポートを依頼することで、人的ミスを防ぎ、安心して外国人社員と長期的な雇用関係を築くことができます。 4、まとめ:ビザ管理は“企業の責任”であり“信頼づくり”の一環です

外国人社員の在留期間更新・変更手続き|企業向けガイド

外国人社員を採用した企業様にとって、「就労ビザが取れたから終わり」ではありません。実は、外国人社員のビザ管理は、採用後こそ重要になります。 この記事では、企業が知っておくべき在留期間の更新手続きや在留資格の変更について、実務的な視点でわかりやすく解説します。今後、外国人社員を継続的に雇用する予定のある企業様は、ぜひ最後までご覧ください。 1、在留期間更新とは? 外国人社員が持つ在留資格(いわゆる「就労ビザ」)には、1年・3年・5年などの在留期間が設定されています。この期限が切れる前に、在留期間更新許可申請を出入国在留管理局へ提出しなければなりません。 ✅ 企業が知っておきたい更新申請のポイント  ◦申請時期:在留期限の3か月前から可能  ◦申請者:本人が申請(ただし企業が書類作成に協力)  ◦審査内容:勤務実態、報酬、会社の経営状況など 2、在留資格変更とは? 在留資格変更とは、外国人社員の仕事内容や立場が変わった場合に必要な手続きです。 よくある変更例:  ◦留学生 → 新卒採用(留学ビザ → 技術・人文知識・国際業務)  ◦技術職 → 管理職(技術ビザ → 経営・管理)  ◦特定技能 → 正社員雇用(技能ビザへ変更 など) 業務内容が当初のビザと異なる場合、変更をしないまま働かせると不法就労助長罪に問われるリスクもあります。 3、更新・変更の際に必要な企業側書類例 就労ビザの更新・変更では、企業側にも以下のような書類提出が求められます  ◦雇用契約書(または辞令)  ◦会社概要資料(登記簿謄本、決算書など)  ◦労働条件通知書・就業規則  ◦在職証明書  ◦税務関連の届出書(源泉徴収義務者の届出など) この他にも、外国人社員本人が提出すべき書類(在留カード、納税証明書など)もあります。 4、ビザ管理で企業が気をつけたい3つのこと ✅① 在留期限の管理を怠らない 期限切れの就労は「不法就労」となり、企業も処罰対象に。外国人社員のビザ期限は必ず一覧で管理し、リマインド体制を整えましょう。 ✅②雇用条件の変更があった場合は専門家に相談 部署異動や職種変更、給与の大幅変更などは、ビザとの整合性が重要です。変更後の業務が今の在留資格と合っているか、確認が必要です。 特に部署異動は注意! 気づいたら就労ビザの要件対象外になっていることもあります!! ✅③更新時も「審査」があることを忘れずに 更新は単なる延長ではなく、在職状況・経営状態などを再審査される場です。給与未払いや社会保険の未加入などがあれば、不許可になる可能性があります。 5、まとめ:外国人社員の「継続雇用」を支えるのは、企業のビザ管理体制です

入国管理局に出す「届出」とは?必要なケース・具体例・注意点まとめ

日本に在留する外国人にとって、入国管理局(出入国在留管理局)への「届出」はとても重要な手続きです。うっかり忘れてしまうと、在留資格の更新ができなくなったり、最悪の場合は在留資格の取消対象になることも。 この記事では、行政書士の立場から「届出とは何か?」「どんなときに必要なのか?」を具体例とともに解説し、特に注意すべきポイントも詳しく紹介します。 1、「届出」とは何か? 入管への「届出」とは、在留中に外国人本人の状況が変わったときに、入管に対してその変更を報告する義務のことです。 これは在留資格ごとに法律で定められており、適切に行わなければ在留資格取消や更新・変更申請の不許可リスクがあります。 2、主な届出の種類と具体例 入国管理局(出入国在留管理庁)で行う「届出」には、在留外国人やその受け入れ機関が行うべきものがいくつかあります。以下に主な届出を整理します 【外国人本人が行う届出】 1、所属機関に関する届出(中長期在留者)  ◦例:勤務先・学校の変更、退職・卒業など  ◦提出期限:変更後14日以内  ◦提出方法:窓口・郵送・オンライン可 2、居住地に関する届出  ◦最初の転入時や転居時に、市区町村役場で行うもの  ◦入国管理局に直接届けるものではないが、在留カード情報に関わる重要な届出 3、配偶者に関する届出(「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」)  ◦離婚・死別など  ◦提出期限:事実が発生してから14日以内 4、所属機関を変更したが、14日以内に在留資格変更許可申請が困難な場合の届出  ◦例:大学を卒業し、就職活動中で在留資格変更の準備中など 【受け入れ機関・雇用主が行う届出】 1、受け入れ外国人に関する届出(中長期在留者)  ◦雇用開始・終了、在籍状況の変更など  ◦対象:特に「技術・人文知識・国際業務」など就労系の在留資格保持者  ◦提出期限:事実発生から14日以内 2、登録支援機関に関する届出(特定技能)  ◦支援の開始・終了、支援計画の変更など  ◦対象:特定技能の外国人を受け入れる機関や支援を行う登録支援機関 【その他】 3、届出の方法と提出先 【届出の提出方法は3種類】 ①オンライン(出入国在留管理庁「届出システム」) →マイナンバーカード等が必要な場合あり ②郵送 →東京入管の「届出受付担当」宛に送付(届出様式あり) ③直接、地方出入国在留管理局へ持参 →窓口での手続きも可能(予約不要の場合が多い) 4、届出を怠るとどうなるの? ✅①在留資格の取消し対象になる可能性あり 例:「技術」ビザで就職後、退職して3ヶ月間無届で放置 → 資格外活動と判断されることも ✅②更新・変更時に不利になる →これまでの在留状況が「適切でなかった」とされ、不許可になる事例あり 5、よくある具体例と注意点 例1:留学生がアルバイトを辞めた場合 → アルバイト先の変更は「資格外活動許可」に影響します。「届出」は必要ありませんが、新しいバイト先が変わった場合は再申請が必要になるケースも。 例2:技術ビザで転職した場合 → 14日以内に「所属機関に関する届出」が必要。転職先の情報(社名、所在地、業務内容など)をしっかり記載。 例3:外国人の配偶者と離婚したがそのまま放置 → 離婚後も「日本人の配偶者等」の在留資格のままだと、次回更新時に不許可となる可能性が高い。また、偽装結婚の疑いを持たれる恐れもある。 6、まとめ